Excelで作業の一覧やToDoリストを作るとき、終わった項目にチェックを付けたい場面は多いでしょう。
ところが、チェックボックスの作り方を調べると、「挿入」タブを使う方法と「開発」タブを使う方法が出てきます。
自分の画面に解説どおりのボタンがなく、作れないと悩む方も少なくありません。
この記事では、2つの方法の違いと、それぞれのやり方を順に紹介します。
Microsoft 365のExcelなら、「挿入」タブからセルにチェック欄を入れる方法が手軽です。
それ以外のExcelでは、「開発」タブのフォームコントロールという部品を使います。
後半では、チェックした数をCOUNTIF関数で数える使い方や、完了した行に取り消し線を引く方法も取り上げます。
チェックボックスが表示されない、削除できないといったときの原因と対処法もまとめました。
実務の表で使いこなすところまで、一緒に確認していきましょう。
こうしたチェック欄がよく使われるのは、仕事の進み具合を管理するタスク管理表です。
タスク管理表の作り方は別記事で紹介しているので、表の土台づくりから始めたい方は参考にしてみてください。
Excelのチェックボックスとは?挿入タブと開発タブの違い
Excelのチェックボックスは、クリックするたびにチェックを入れたり外したりできる四角い枠のことです。
ToDoリストの完了欄や点検表の確認欄、アンケートの回答欄などに使われます。
Excelには作り方が2種類あり、どちらで作ったかによって操作や集計の方法が変わります。
チェックボックスはチェックの有無をTRUEとFALSEで記録する機能
この四角い枠の状態は、Excelの中ではTRUEとFALSEという値で記録されます。
TRUEは「正しい」、FALSEは「正しくない」を表す値で、論理値と呼ばれます。
チェックが入っていればTRUE、外れていればFALSEです。
具体例として、「挿入」タブで作ったチェックボックスのセルを見てみます。
| A | B | C | |
|---|---|---|---|
| 1 | タスク | 完了 | 状態 |
| 2 | 見積書の作成 | TRUE | |
| 3 | 請求書の送付 | FALSE |
B列は、画面上ではチェック欄として表示される列です。
B2はチェックが入った状態で、セルを選択すると数式バーにTRUEと表示されます。
B3はチェックが外れた状態なので、数式バーにはFALSEと表示されます。
つまり、チェックボックスはTRUEとFALSEの値に、専用の書式を付けたものです。
値がそのままセルに入っているため、数式でチェックの状態を参照できます。
C2セルに次の数式を入力します。
=IF(B2,”完了”,”未完了”)
B2はチェックが入ったTRUEのセルなので、C2には「完了」と表示されます。
同じ数式をC3にコピーすると、チェックが外れたB3を参照して「未完了」と表示されます。
チェックの状態を文字に置き換えて、印刷した紙でも状態がわかるようにする処理です。
挿入タブと開発タブのチェックボックスの違い|使えるバージョンと値の記録先
2つの作り方の違いを、表に整理します。
以下では、「挿入」タブで作るものを挿入タブ版、「開発」タブで作るものを開発タブ版と呼びます。
| 比較する点 | 挿入タブ版 | 開発タブ版 |
|---|---|---|
| 使えるExcel | Microsoft 365のExcel | 買い切り版を含む多くのバージョン |
| 置かれる場所 | セルの中 | セルの上に浮いた部品 |
| TRUEとFALSEの記録先 | チェック欄のあるセル | 「リンクするセル」で指定したセル |
| 一度に作れる数 | 選択した範囲にまとめて作れる | 1つずつ作る |
| 削除のしかた | セルを選んでDeleteキー | Ctrlキーを押しながらクリックで選んでDeleteキー |
挿入タブ版は、セルの値そのものがTRUEかFALSEになるのが特徴です。
そのため、COUNTIF関数などで直接数えられ、集計の手間がかかりません。
Microsoftのサポートページが対象としているのも、Microsoft 365のExcelです。
開発タブ版は、フォームコントロールと呼ばれる部品の1つです。
セルとは別の部品なので、TRUEとFALSEをセルで受け取るには「リンクするセル」の設定が必要です。
手間は増えますが、買い切り版のExcelでも使える点が利点です。
実務では、ファイルを渡す相手のExcelも考えてから作り方を選びます。
相手が同じようにチェックを操作できるかは、相手のExcelの種類によって変わる可能性があります。
社内で共有する表なら、メンバーがMicrosoft 365を使っているかを先に確認しておくと安心です。
初心者がつまずきやすいのは、解説記事の画面と自分の画面が違うことです。
まずは自分のExcelの「挿入」タブを開き、「チェックボックス」のボタンがあるかを確認しましょう。
ボタンがあれば挿入タブ版、なければ開発タブ版で作ります。
チェックの状態で表示を切り替えた先ほどの数式には、IF関数を使いました。
IF関数の基本は別記事で紹介しているので、TRUEとFALSEで処理を分ける仕組みの確認に役立ててください。
チェックボックスの作り方|挿入タブと開発タブそれぞれのやり方
ここからは、2種類のチェックボックスの作り方を順に説明します。
Microsoft 365を使っている場合は、まず挿入タブ版を試してみてください。
「挿入」タブにボタンがない場合は、開発タブ版の手順に進みます。
挿入タブでセルにチェックボックスを作るやり方
挿入タブ版は、セルを選んでボタンを押すだけで作れます。
1. チェック欄を入れたいセル範囲を選択する
2. 「挿入」タブの「チェックボックス」をクリックする
具体例として、ToDoリストのC2からC6を選択して、手順どおりに操作します。
5つのセルすべてに、チェックの外れた四角い枠が入り、値はFALSEになります。
枠をクリックするとチェックが入り、値がTRUEに変わります。
マウスを使わずに切り替えたい場合は、セルを選択してSpaceキーを押します。
複数のセルを選択してSpaceキーを押すと、まとめてチェックを切り替えられます。
チェックボックスの見た目は、文字と同じ方法で変えられます。
大きさはフォントサイズ、色はフォントの色で設定します。
セル内の位置も、文字と同じように中央揃えなどで調整できます。
開発タブを表示してフォームコントロールのチェックボックスを作るやり方
「開発」タブは、初期設定ではリボンに表示されていません。
まず次の手順で、「開発」タブを表示させます。
1. 「ファイル」→「オプション」をクリックする
2. 「Excelのオプション」ダイアログの左側で「リボンのユーザー設定」を選ぶ
3. 右側の「メインタブ」の一覧で「開発」にチェックを入れ、「OK」をクリックする
続けて、「開発」タブからチェック欄を配置します。
1. 「開発」タブの「挿入」をクリックする
2. 「フォームコントロール」の「チェックボックス」をクリックする
3. マウスポインターが「+」の形に変わったら、置きたいセルをクリックする
「挿入」の一覧には、「ActiveXコントロール」の欄にも同じ形の部品があります。
こちらはプログラムで細かく制御するための上級者向けの部品です。
初心者は「フォームコントロール」のほうを選びましょう。
配置した枠の右側には、「チェック1」のような文字が表示されます。
文字を変えたり消したりするには、枠を右クリックして「テキストの編集」を選びます。
具体例として、B列にタスク名がある表なら、文字を消してチェックの枠だけを残すと表がすっきりします。
初心者がつまずきやすいのは、開発タブ版を選択しようとしてクリックする操作です。
普通にクリックすると、選択されずにチェックが切り替わってしまいます。
部品そのものを選択するときは、Ctrlキーを押しながらクリックしましょう。
リンクするセルを設定してチェックの状態をTRUEとFALSEで受け取る
開発タブ版は、作っただけではセルに値が入りません。
チェックの状態をTRUEとFALSEで受け取るには、「リンクするセル」を設定します。
1. 配置した部品を右クリックし、「コントロールの書式設定」を選ぶ
2. 「コントロール」タブの「リンクするセル」の入力欄をクリックする
3. 結果を表示したいセルをクリックし、「OK」をクリックする
具体例として、C2に置いた開発タブ版のリンクするセルをD2に設定します。
チェックを入れるとD2にTRUE、外すとFALSEと表示されます。
このD2の値を使えば、挿入タブ版と同じように数式で集計できます。
実務では、リンクするセルの列を非表示にして、TRUEとFALSEの文字を見せないようにすることがあります。
列番号を右クリックして「非表示」を選ぶと、集計に使う値を残したまま表をすっきり見せられます。
「開発」タブは、チェックボックスのほかに、マクロの記録やVBAの編集にも使うタブです。
マクロとVBAの基本は別記事で紹介しているので、作業の自動化にも興味がある方は参考にしてみてください。
チェックボックスの使い方|ToDoリストで完了数を数える実務例
チェックボックスは、TRUEとFALSEの値を数式や書式と組み合わせることで、実務で役立つ表になります。
ここでは挿入タブ版を使い、ToDoリストを例に3つの使い方を紹介します。
開発タブ版の場合は、チェック欄のセルをリンクするセルに読み替えてください。
COUNTIF関数でTRUEを数えて完了したタスクの数を出す
次の表は、C列にチェックボックスを入れたToDoリストです。
| A | B | C | |
|---|---|---|---|
| 1 | タスク | 担当 | 完了 |
| 2 | 見積書の作成 | 佐藤 | TRUE |
| 3 | 請求書の送付 | 鈴木 | TRUE |
| 4 | 会議資料の準備 | 佐藤 | FALSE |
| 5 | 議事録の共有 | 田中 | TRUE |
| 6 | 備品の発注 | 鈴木 | FALSE |
| 7 | 完了数 | ||
| 8 | 完了率 |
C2からC6はチェック欄のセルで、TRUEはチェックあり、FALSEはチェックなしを表します。
C7に次の数式を入力します。
=COUNTIF(C2:C6,TRUE)
C2からC6の中でTRUEになっているのは、C2、C3、C5の3つです。
そのため、C7には3と表示され、5つのタスクのうち3つが完了していることがわかります。
チェックを入れたり外したりすると、C7の数も自動で変わります。
COUNTIF関数は、範囲の中で条件に合うセルの数を数える関数です。
条件にTRUEを指定すると、チェックが入ったセルだけを数えられます。
完了した割合を出したい場合は、タスクの数で割ります。
C8に次の数式を入力し、表示形式をパーセントにします。
=COUNTIF(C2:C6,TRUE)/COUNTA(A2:A6)
COUNTA関数は空白でないセルの数を数える関数で、ここではタスクの数である5を返します。
3を5で割った0.6がパーセントで表示され、C8には60%と表示されます。
条件付き書式で完了した行に取り消し線を引く|開発タブはリンク先を参照
チェックを入れた行に取り消し線を引くと、終わったタスクがひと目でわかります。
条件付き書式とは、条件に合うセルだけに自動で書式を付ける機能です。
条件には、次の数式を使います。
=$C2=TRUE
1. 表のA2からC6を選択する
2. 「ホーム」タブの「条件付き書式」→「新しいルール」をクリックする
3. 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選び、数式欄に上の数式を入力する
4. 「書式」をクリックし、「フォント」タブの「取り消し線」にチェックを入れて「OK」をクリックする
5. 「新しい書式ルール」ダイアログに戻ったら「OK」をクリックする
この設定で、C列がTRUEの行は、A列からC列の文字に取り消し線が引かれます。
先ほどの表なら、2行目、3行目、5行目のタスクに線が付きます。
数式の$Cは、列だけを固定する書き方です。
列を固定しておくと、どの列のセルでも同じ行のC列を見て判断できます。
初心者がつまずきやすいのは、$C$2と行まで固定してしまい、すべての行がC2の状態に合わせて変わる点です。
開発タブ版の場合は、部品を置いたセルではなく、リンクするセルを条件にします。
たとえばD列をリンクするセルにしているなら、条件の数式は次のようになります。
=$D2=TRUE
置換でTRUEをFALSEに変えてチェックをまとめて外す
毎週使うチェックリストでは、週の初めにすべてのチェックを外したいことがあります。
1つずつクリックして外すのは手間なので、置換の機能を使います。
1. チェックを外したいC2からC6を選択する
2. 「ホーム」タブの「検索と選択」→「置換」をクリックする
3. 「検索する文字列」にTRUE、「置換後の文字列」にFALSEと入力し、「すべて置換」をクリックする
選択した範囲のTRUEがすべてFALSEに置き換わり、チェックが外れた状態になります。
先ほどのToDoリストなら、C2、C3、C5のチェックが外れ、C7の完了数は0に戻ります。
実務では、チェックを外す前にファイルを別名で保存して、前の週の記録を残しておくと安心です。
また、範囲を選ばずに置換すると、シート内のほかのTRUEまで置き換わります。
置換は、必ずチェック欄の範囲を選択してから実行しましょう。
完了した行に取り消し線を引く設定では、条件付き書式の数式による指定を使いました。
条件付き書式の使い方は別記事で詳しく紹介しているので、ルールの設定方法を確認したい方は参考にしてみてください。
チェックボックスが作れない・削除できない原因と対処法
チェックボックスでよくあるトラブルは、作れない、消せない、集計が合わないの3つです。
どれも故障ではなく、作り方の種類による仕様の違いが原因です。
症状ごとの原因と対処法は、次のとおりです。
| 症状 | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 「挿入」タブにボタンがない | Microsoft 365以外のExcel、または更新が古い | Excelを更新するか、開発タブ版で作る |
| Deleteキーを押しても消えない | チェックが入っていると、1回目はチェックが外れるだけ | もう一度Deleteキーを押す |
| 開発タブ版で集計が合わない | コピーした部品のリンク先が元のまま | リンクするセルを1つずつ設定し直す |
挿入タブにチェックボックスが表示されない原因
挿入タブ版は、2024年に追加された比較的新しい機能です。
買い切り版のExcel 2021などでは、「挿入」タブを探してもボタンがありません。
この場合は、開発タブ版のフォームコントロールで作ります。
Microsoft 365を使っているのにボタンがない場合は、Excelの更新が古い可能性があります。
「ファイル」→「アカウント」を開き、「更新オプション」→「今すぐ更新」の順にクリックして更新します。
自分のExcelが買い切り版かMicrosoft 365かも、同じ「アカウント」の画面の製品情報で確認できます。
Deleteキーでチェックボックスが消えない原因|TRUEのセルはチェックが外れるだけ
挿入タブ版は、Deleteキーを押したときの動きが状態によって変わります。
チェックが外れたFALSEのセルでは、Deleteキーを1回押すとチェック欄が削除されます。
チェックが入ったTRUEのセルでは、1回目はチェックが外れるだけで、もう一度押すと削除されます。
具体例として、先ほどのToDoリストのC2からC6を選択してDeleteキーを押してみます。
C2、C3、C5にチェックが入っているため、1回目は5つともチェックが外れた状態になります。
もう一度Deleteキーを押すと、5つのチェック欄がすべて削除されます。
チェックボックスだけを消して、TRUEとFALSEの値は残したい場合もあります。
その場合は、「ホーム」タブの「クリア」→「書式のクリア」を選びます。
書式のクリアはほかの書式もまとめて消すため、罫線や色を付けたセルでは注意が必要です。
開発タブ版は、セルを選んでDeleteキーを押しても消えません。
セルの上に浮いた部品なので、Ctrlキーを押しながらクリックして選択してから、Deleteキーを押します。
開発タブのチェックボックスで集計がずれる原因|コピーしてもリンク先は変わらない
開発タブ版は、1つずつしか作れません。
そのため、1つ作った部品をコピーやオートフィルで下の行に増やすのが一般的です。
ところが、コピーした部品のリンクするセルは、元と同じセルのままです。
具体例として、C2に置いた部品のリンク先をD2にして、C3からC6にオートフィルでコピーしたとします。
5つの部品はすべてD2にリンクしているため、1つをクリックすると全部が同時に切り替わります。
D3からD6には値が入らないので、完了数を正しく数えられません。
対処法は、コピーした部品を1つずつ右クリックして、リンク先を設定し直すことです。
「コントロールの書式設定」を開き、C3の部品はD3、C4の部品はD4のように同じ行のセルを指定します。
数が多い場合は、挿入タブ版が使えるかを先に確認すると、この手間を省けます。
初心者がつまずきやすいのは、COUNTIF関数の範囲に、部品を置いたC列を指定してしまうことです。
開発タブ版の下にあるセルは空白なので、結果は0になります。
範囲にはリンクするセルのD列を指定し、次のように入力します。
=COUNTIF(D2:D6,TRUE)
COUNTIF関数は、TRUEのほかにも文字や数値など、さまざまな条件で数を数えられる関数です。
条件の指定方法や複数の条件で数える方法は別記事で紹介しているので、集計の幅を広げたい方は参考にしてみてください。
チェックボックスの作り方まとめ|Microsoft 365なら挿入タブから始める
Excelのチェック欄の作り方には、「挿入」タブを使う方法と「開発」タブを使う方法の2種類があります。
どちらもチェックの状態をTRUEとFALSEで扱える点は同じですが、使えるExcelと値の記録先が違います。
ポイントを整理すると、次のとおりです。
- Microsoft 365のExcelなら、範囲を選んで「挿入」タブの「チェックボックス」を押すだけで作れる
- 買い切り版のExcelでは、「開発」タブを表示して、フォームコントロールの部品を使う
- 開発タブ版は、「リンクするセル」を1つずつ設定してからTRUEとFALSEを集計する
- COUNTIF関数でTRUEを数えると完了数がわかり、条件付き書式と組み合わせると完了した行が目立つ
作り方に迷ったら、まず自分の「挿入」タブにボタンがあるかを確認しましょう。
ボタンがあれば挿入タブ版、なければ開発タブ版、と覚えておくと迷わずに済みます。
Excelには、チェックボックスのほかにも、表を見やすく整えたり作業を効率化したりできる機能が数多くあります。
Excelでできること一覧では基本機能をまとめて紹介しているので、次に覚える機能を探す参考にしてみてください。






