【Excel初心者向け】Accessとは?Excelとの違いと使い分けの目安

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ExcelとAccessは、どちらもMicrosoftが提供するデータを扱うソフトです。
名前は知っていても、何が違うのか、どちらを使えばよいのか迷う人は少なくありません。
特に、Excelの表が重くなってきた頃に、移行先として名前を聞くことが多いソフトです。

結論から言うと、Excelは計算や集計が得意な表計算ソフトです。
Accessは、大量のデータをためて管理するためのデータベースソフトです。
画面はどちらも表の形をしていますが、得意な作業ははっきり分かれています。

この記事では、ExcelとAccessの違いを、同時入力・データ量・データの持ち方の3点から整理します。
そのうえで、業務に合わせた使い分けの目安と、2つを連携させるやり方も紹介します。
今の表をExcelのまま使い続けてよいのか、判断する材料にしてみてください。

Excelと比べられることが多いソフトには、Googleスプレッドシートもあります。
表計算ソフト同士の比較が気になる方は、あわせて確認してみてください。

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Accessとは?Excelとの違いはどこにある?

この2つのソフトは、見た目こそ似ていますが、種類が異なります。
Excelは表計算ソフト、Accessはデータベースソフトに分類されます。
データベースとは、決まった形式でデータをためておき、必要なときに取り出せるようにした仕組みのことです。

Excelの特徴|計算・集計が得意で簡単なデータベースにも使える

Excelは、セルに入力した数値を関数や数式で計算するのが得意なソフトです。
売上の合計やグラフ作成など、手元のデータをすぐに集計・分析できます。
行と列に自由に入力できるため、1枚の表を簡単なデータベースのように使うこともできます。

次の表は、Excelで作った売上の記録です。

ABC
1日付商品売上
210/1商品A12000
310/2商品B8000
410/3商品A5000
5合計

C5セルに次の数式を入力します。

=SUM(C2:C4)

C5セルには「25000」と表示されます。
C2からC4までの売上を足した結果で、3日間の売上の合計を求めています。
このように、入力したその場で計算結果を確かめられるのがExcelの強みです。

Accessの特徴|データ量が増えても管理しやすい専用ソフト

Accessは、データをためて管理することに特化したソフトです。
テーブル、クエリ、フォーム、レポートという4つの機能を組み合わせて使います。
1つの画面で計算から見た目まで整えるExcelとは異なり、役割ごとに部品を分けるのが特徴です。

機能役割Excelでいうと
テーブルデータをためておく入れ物1枚のシートの表
クエリ条件に合うデータを抽出・集計するフィルターや関数
フォームデータを入力する専用の画面入力用のシート
レポート印刷用に体裁を整える印刷設定をしたシート

例えば顧客の情報はテーブルにため、東京都の顧客だけをクエリで取り出します。
入力担当者はフォームから1件ずつ登録し、月末にはレポートで一覧を印刷します。
ためる・探す・入れる・見せるの役割が分かれている点が、Excelとの大きな違いです。

実務では、Excelで作った顧客リストや売上表が数万行に増えた頃に、導入を検討することがあります。
最初からデータベースソフトを使う必要はなく、困りごとが出てから考えても遅くはありません。

初心者がつまずきやすいのは、AccessをExcelと同じ感覚でいきなり入力し始めてしまうことです。
このソフトでは、先にテーブルの項目と、各項目に入れるデータの種類を決めてから入力します。
Excelのように、後から列を自由に足していく使い方はあまり向いていません。

なお、Excelにも表をデータベースのように扱えるテーブル機能があります。
データ量がそれほど多くなければ、まずはExcelのテーブル機能で一覧を管理するのも1つの方法です。

ExcelとAccessの違いは?同時入力・データ量・データの持ち方で比較

2つのソフトの主な特徴を、先に表で比べておきます。
細かな機能よりも、日々の業務に影響しやすい点に絞っています。

比較する点ExcelAccess
ソフトの種類表計算ソフトデータベースソフト
複数人での同時入力OneDriveなどに保存すれば共同編集できる同時ユーザー数は最大255
データ量の上限1シートあたり1,048,576行・16,384列1ファイルあたり2GB
データの持ち方1枚の表にまとめる複数のテーブルに分けてつなぐ
得意な作業計算・集計・グラフ作成データの蓄積・検索・入力管理
使える環境Windows・Mac・Web版・スマートフォンWindows版のみ

表のとおり、Excelは計算や分析に、Accessはデータをためて守ることに強みがあります。
ここからは、使い分けに直結する3つの違いを順に見ていきます。

複数人での同時入力の違い|使い分けの大きな分かれ目

Accessは、複数人が同じデータベースを同時に使うことを前提に作られています。
Microsoftの公式の仕様では、同時ユーザー数の上限は255とされています。
入力用のフォームを用意すれば、担当者ごとに別の画面から同じテーブルへ登録できます。

Excelでも、OneDriveやSharePointに保存したブックなら複数人で共同編集できます。
ただし、全員が同じ表を直接触るため、誰かが列を消したり並べ替えたりすると全員に影響します。

例えば、営業担当5人が毎日の受注を1つのファイルに入力する場面を考えます。
Excelでは、入力欄と集計欄が同じシートにあると、うっかり数式を上書きしてしまうことがあります。
Accessなら入力はフォーム、集計はクエリと場所が分かれるため、こうした事故が起きにくくなります。

扱えるデータ量の違い|行数とファイルサイズの上限

Excelの1シートに入力できるのは、最大1,048,576行・16,384列です。
ただし上限に届く前に、数万行を超えたあたりから関数の再計算が遅くなることがよくあります。

Accessの上限は、1つのデータベースファイルあたり2GBです。
行数ではなく容量で決まるため、件数が数十万件に増えても1ファイルで扱えることが多いと考えられます。

例えば、1日100件の注文を記録すると、1年でおよそ36,500行になります。
5年分なら約18万行となり、関数を入れたExcelの表ではかなり動作が重くなると考えられます。
同じ量でも、データベースソフトならテーブルに蓄積して、必要な期間だけクエリで取り出せます。

データの持ち方の違い|1枚の表とリレーショナルデータベース

Excelでは、必要な情報を1枚の表に横へ並べて記録するのが一般的です。
そのため、同じ顧客の名前や所在地が、注文のたびに何度も入力されることになります。

ABCD
1注文日顧客名所在地金額
210/1山田商店東京都12000
310/5山田商店東京都8000
410/8佐藤工業大阪府15000

2行目と3行目では、B列の顧客名とC列の所在地が同じ内容で2回入力されています。
山田商店が移転した場合、この顧客の行をすべて探して所在地を直す必要があります。

Accessでは、顧客の情報と注文の情報を別々のテーブルに分けて記録します。
2つのテーブルは、顧客IDのような共通の項目でつなぎます。
所在地は顧客のテーブルで1か所直すだけで、すべての注文に反映されます。

この仕組みをリレーションシップと呼びます。
リレーションシップでテーブルをつないだデータベースを、リレーショナルデータベースといいます。

Excelでも、シートを分けてXLOOKUP関数で情報を引けば、似た形にできます。
次の例では、顧客シートに顧客の一覧を作り、注文シートから顧客IDで顧客名を取り出します。

顧客シート

ABC
1顧客ID顧客名所在地
2K001山田商店東京都
3K002佐藤工業大阪府

注文シート

ABCD
1注文日顧客ID顧客名金額
210/1K00112000
310/5K0018000
410/8K00215000

注文シートのC2セルに次の数式を入力し、C4セルまでコピーします。

=XLOOKUP(B2,顧客!$A$2:$A$3,顧客!$B$2:$B$3)

C2セルとC3セルには「山田商店」、C4セルには「佐藤工業」と表示されます。
B列の顧客IDを顧客シートのA列から探し、同じ行のB列にある顧客名を返す数式です。

実務では、この方法で顧客名の入力ミスや表記ゆれを減らせます。
ただし、IDの入力漏れや重複を自動で防ぐ仕組みはないため、データが増えるほど管理の手間は大きくなります。

初心者がつまずきやすいのは、検索する範囲を絶対参照にし忘れることです。
相対参照のままコピーすると範囲が1行ずつ下にずれ、#N/Aエラーが表示されることがあります。
これは、ずれた範囲の中に探している顧客IDが含まれなくなるためです。

XLOOKUP関数と、従来のVLOOKUP関数のどちらを覚えるべきかは、次の記事で詳しく確認できます。

ExcelとAccessの使い分け方|それぞれが向いている業務とは

2つのソフトの違いをふまえると、使い分けの基本は何をしたいかで決まります。
計算や分析が目的ならExcel、データをためて管理することが目的ならAccessが向いています。

Excelとの使い分け|計算・分析・グラフ作成が中心ならExcel

Excelが向いているのは、手元のデータを使ってすぐに計算や分析をしたい場面です。
見積書や予算表のように、数式を組み合わせて結果を確かめながら作る資料に適しています。
グラフやピボットテーブルを使った集計も、Excelのほうが手軽に行えます。

例えば、部署の月別経費を集計してグラフにし、会議資料に貼り付ける作業はExcelの得意分野です。
データは数百行程度で、作るのも見るのも1〜2人という場合、Accessを使う利点はほとんどありません。

Accessが向いているケース|蓄積するデータ量が多い業務

Accessが向いているのは、同じ形式のデータを長期間ためていく業務です。
顧客台帳、受注管理、在庫管理、会員名簿などが代表的な例です。
複数の担当者が入力し、あとから条件を指定して探し出す使い方に強みがあります。

例えば、会員数3,000人のスクールで、会員情報と受講履歴を管理する場面を考えます。
会員テーブルと受講履歴テーブルを分けておけば、会員の住所変更も1か所の修正で済みます。
受付担当者はフォームから入力し、事務担当者はクエリで今月の受講者だけを取り出すといった分担ができます。

実務では、どちらか一方に決めず、入力と蓄積はAccess、集計とグラフはExcelと分担する例も見られます。
2つのソフトは同じMicrosoft製のため、データのやり取りもしやすくなっています。

初心者がつまずきやすいのは、Excelで困っている理由を確かめないまま、別のソフトへ移ろうとすることです。
入力ミスが多いことが悩みなら、Excelの入力規則でプルダウンを作るだけで解決する場合もあります。
データの入力規則の使い方は、次の記事で手順を確認できます。

ExcelからAccessへ移行する目安とは?連携して使うやり方も

Excelで困りごとが増えてきても、すぐにAccessへ切り替える必要はありません。
移行の目安を知っておくと、今の表をExcelのまま使い続けるかどうかを判断しやすくなります。

Accessへ移行する目安|データベース化が必要になる3つのサイン

Excelを使い続けるか迷ったときは、次の3点を確認します。

  • データが数万行を超え、ファイルを開くだけで時間がかかる
  • 3人以上が同じ表に入力し、上書きや入力ミスのトラブルが起きている
  • 同じ顧客名や商品名を何度も入力し、修正のたびに複数の行を直している

1つの目安として、2つ以上当てはまる場合は移行を検討してよい段階と考えられます。
1つだけなら、Excelのテーブル機能や入力規則を使って改善できることが多いでしょう。

AccessのデータをExcelに取り込むやり方|集計との使い分け

移行したあとも、集計やグラフ作成はExcelで行うと作業がスムーズです。
Excelには、データベースファイルを直接読み込む機能が用意されています。
手順は次のとおりです。

1. Excelの「データ」タブを開き、「データの取得」をクリックする
2. 「データベースから」→「Microsoft Access データベースから」の順に選ぶ
3. 取り込みたいファイル(拡張子が.accdbのもの)を選んで開く
4. 「ナビゲーター」が表示されたら、左側でテーブルを選び、「読み込み」をクリックする

読み込んだデータは、新しいシートにExcelのテーブルとして表示されます。
次の表は、Accessの注文テーブルを取り込んだ結果の例です。

ABC
1注文日顧客名金額
210/1山田商店12000
310/5山田商店8000
410/8佐藤工業15000

E2セルに次の数式を入力します。

=SUMIF(B2:B4,”山田商店”,C2:C4)

E2セルには「20000」と表示されます。
B列が山田商店の行だけを選び、C列の金額を合計した結果です。

元のデータが増えたときは、「データ」タブの「すべて更新」をクリックすると最新の内容に入れ替わります。
取り込みのたびにコピーし直す必要がないため、毎月の集計作業を短くできます。

Accessを使う前の注意点|Mac版がなくデータベース設計の学習も必要

このソフトは、Windows版しか提供されていません。
Macを使っている場合は、Excelで工夫するか、別のデータベースサービスを検討する必要があります。

個人向けのMicrosoft 365 Personalには、Windows版のAccessが含まれています。
料金は年額21,300円です。

一方、買い切り版のOffice Home & Business 2024には含まれていません。
手元の環境で使えるかどうかを、先に確認しておくと安心です。

初心者がつまずきやすいのは、テーブルの設計をせずに、Excelの表をそのまま取り込んでしまうことです。
同じ顧客名が何度も出てくる表のままでは、移行しても修正の手間は変わりません。
移行の前に、顧客や商品など情報の種類ごとに表を分けておくと、その後の管理が楽になります。

また、Excelへ取り込むときは、元のデータベースファイルを閉じておくと安心です。
環境によっては、開いたままだと読み込みでエラーが出ることがあります。

Excelに取り込んだデータを顧客別や月別に集計したいときは、ピボットテーブルを使うと数式なしでまとめられます。

ExcelとAccessの使い分けまとめ|データ量と使う人数で選ぶ

2つのソフトは、どちらもデータを扱いますが、得意な作業が異なります。
Excelは、計算・集計・グラフ作成に強い表計算ソフトです。
Accessは、データをためて、探して、正しく入力するためのデータベースソフトです。

違いが表れやすいのは、次の3点です。

  • 複数人での同時入力:Accessは入力画面と集計の場所を分けられる
  • データ量:Excelは1シートあたり約105万行が上限で、数万行から重くなりやすい
  • データの持ち方:Excelは1枚の表、データベースソフトは複数の表をつなげて管理する

データが数百行で、作業する人が1〜2人なら、Excelで十分に対応できます。
データが数万行を超え、複数人が入力するようになったら、Accessへの移行を検討するとよいでしょう。
移行後も、集計とグラフはExcelに取り込んで行うと、2つの強みを両方活かせます。

Excelでできることをあらためて整理したい方は、次の記事もあわせて参考にしてください。