【Excel初心者向け】セル内で改行する方法|改行できない原因と折り返し・関数での対処法

記事内に広告が含まれています。

Excelで住所やメモを入力していて、文字を2行に分けたいと思ったことはないでしょうか。
Wordと同じ感覚でEnterキーを押すと、入力が確定して下のセルへ移動してしまいます。
1つのセルの中で行を分けるには、Excelならではの操作が必要です。

この記事では、セル内で改行する方法を、ショートカットキーと折り返しの設定の2つに分けて紹介します。
あわせて、Alt+Enterを押しても行が分かれない原因や、2行目が表示されない原因も取り上げます。
関数で行を分けるやり方や、不要な区切りをまとめて削除する方法も紹介します。

うまくいかないときの原因は、大きく分けて3つあります。
キーの押し方の違い、折り返しや行の高さの設定、関数での指定方法です。
症状から原因を見分けられるように、それぞれの対処法を順に確認していきます。

なお、Alt+EnterはExcelでよく使うショートカットキーの1つです。
ほかの定番のキーや、キーが効かないときの確認方法は別記事でまとめているので、あわせて参考にしてみてください。

スポンサーリンク

Excelのセル内で改行する方法とは?Alt+Enterと折り返しの違い

Excelで1つのセルの文字を複数行に分ける方法は、大きく2つあります。
1つは好きな位置で行を分けるAlt+Enter、もう1つは列の幅に合わせて自動で折り返す設定です。
見た目は似ていますが仕組みが違うため、使い分けを知っておくと表を整えやすくなります。

セル内で改行するショートカットはAlt+Enter

Windows版のExcelでは、行を分けたい位置でAltキーを押しながらEnterキーを押します。
文字を入力している途中なら、そのままAlt+Enterを押すだけで次の行に入力を続けられます。
入力が終わったら、最後にEnterキーだけを押して確定します。

具体例として、顧客の住所を1つのセルに2行で入力してみます。

AB
1顧客名住所
2山田商店東京都千代田区丸の内1-1-1(ここでAlt+Enter)丸の内ビル5階

B2セルに番地まで入力したところでAlt+Enterを押し、続けてビル名を入力します。
Enterキーで確定すると、B2セルには1行目に番地まで、2行目にビル名が表示されます。
建物名を2行目に分けることで、列の幅を広げすぎずに住所全体を読みやすくできます。

すでに入力してある文字の途中で行を分けたい場合は、先にセルを編集できる状態にします。
セルをダブルクリックするか、セルを選択してF2キーを押します。
行を分けたい位置にカーソルを合わせてからAlt+Enterを押すと、その位置で2行目に送られます。

「折り返して全体を表示する」は列の幅に合わせて自動で折り返す

2つ目の方法は、「折り返して全体を表示する」という書式の設定です。
セルを選択して、「ホーム」タブの「配置」グループにある「折り返して全体を表示する」をクリックします。
文字がセルの右端まで来ると、自動で次の行に送られて表示されます。

具体例として、対応メモの列に長い文章を入力した表を見てみます。

ABC
1顧客名担当者対応メモ
2山田商店佐藤10月5日に訪問し、見積書を担当者へ手渡した。次回は10月20日に連絡する予定

C2セルを選んで折り返しをオンにすると、メモがC列の幅で折り返され、行の高さも自動で広がります。
C列の幅を広げると1行あたりの文字数が増え、狭めると行数が増えます。
この設定は見た目だけを変えるもので、文字そのものに区切りの記号が入るわけではありません。

ショートカットと折り返しの違い|行を分ける位置を決めたいかで使い分ける

2つの方法の違いを表に整理すると、次のとおりです。

比べる点Alt+Enter折り返して全体を表示する
行が分かれる位置Alt+Enterを押した位置列の幅で自動的に決まる
セルの中身改行を表す文字が入る中身は変わらない
列の幅を変えたとき分かれる位置は変わらない折り返す位置が変わる
向いている使い方住所、部署名と氏名など区切りが決まっているもの長いメモや説明文

実務では、住所のように区切る位置が決まっている項目はAlt+Enter、長いメモは折り返しが向いています。
見出しの文字を短い列幅に収めたいときも、区切りを自分で決められるAlt+Enterが便利です。

初心者がつまずきやすいのは、Alt+Enterで入れた改行が文字の一部として記録される点です。
VLOOKUP関数などで完全に一致する文字を探すとき、区切りを含む文字は、含まない文字とは別の値として扱われます。
検索や集計に使う列にはAlt+Enterを使わず、表示用の列だけで使うと安心です。

顧客管理表のように検索に使う表では、どの列にどんな情報を入れるかを先に決めておくと、こうしたずれを防げます。
顧客管理表の項目設計の考え方は別記事で紹介しているので、表を作る前の参考にしてみてください。

セル内で改行できない原因①|Alt+Enterの押し方やMacのキーが違う

Alt+Enterを押しても改行できない場合、まず疑いたいのはキーの押し方です。
Excelでは、Enterキーを使う組み合わせごとに、入力を確定したあとの動きが決まっています。
似た組み合わせを押していないか、次の表で確認しましょう。

押したキーExcelの動き
Enter入力を確定して下のセルへ移動する
Shift+Enter入力を確定して上のセルへ移動する
Ctrl+Enter入力を確定して同じセルにとどまる
Alt+Enterセルの中で行を分ける

Alt+Enterのショートカットは「Altを押したままEnter」の順で押す

Alt+Enterは、Altキーを先に押し、押したままの状態でEnterキーを押す操作です。
Enterキーが先に入ったり、Altキーを離すのが早かったりすると、ただのEnterとして入力が確定してしまいます。
日本語入力で変換の途中のときは、先にEnterキーで変換を確定してからAlt+Enterを押すと確実です。

具体例として、入力済みの文字の途中で行を分ける手順を確認します。
A2セルに「営業部佐藤一郎」と入力してあり、部署名と氏名を2行に分けたいとします。

1. A2セルをダブルクリックする(またはA2セルを選択してF2キーを押す)
2. 部署名の後ろ、佐藤の直前をクリックしてカーソルを置く
3. Altキーを押したままEnterキーを押す
4. Enterキーを押して確定する

A2セルには、1行目に営業部、2行目に佐藤一郎と表示されます。
セルを選択しただけの状態では、文字の途中に行の区切りを入れることはできません。
手順1で編集できる状態にしてから、位置を決めて操作するのがポイントです。

MacのExcelで改行できないときはControl+Option+Returnのショートカットを使う

MacのExcelには、WindowsのAlt+Enterにあたるキーの組み合わせが別に用意されています。
Microsoftの案内では、Mac版のExcelで行を分けるキーはControl+Option+Returnです。
環境によっては、Command+Option+Returnで改行できる場合もあります。

使っている環境セル内で行を分けるキー
Windows版のExcelAlt+Enter
Mac版のExcelControl+Option+Return
ブラウザで使うWeb版のExcelAlt+Enter

職場でWindowsとMacが混在している場合は、操作マニュアルに両方のキーを書いておくと問い合わせを減らせます。
自分のパソコンで迷ったときは、表の上から順に試すと切り分けやすくなります。

関数の数式バーでAlt+Enterを押しても結果は改行されない

関数を入力している数式バーでも、Alt+Enterを押すと数式の途中で行を分けられます。
ただし、これは長い数式を読みやすくするための操作で、計算結果には反映されません。
たとえば、A2セルとB2セルをつなぐ数式の途中でAlt+Enterを押しても、結果は1行で表示されます。

初心者がつまずきやすいのは、この数式バーでの操作で、結果の文字にも区切りが入ると思ってしまうことです。
数式の結果を2行に分けたい場合は、Alt+Enterではなく専用の関数を使います。
具体的なやり方は、原因③の章で紹介します。

セル内の改行が1行で表示される原因②|折り返しと行の高さの設定

Alt+Enterで行を分けたはずなのに、セルの中では1行のまま見えることがあります。
この場合、改行そのものは入っていて、表示の設定が原因で見えていないだけのことがほとんどです。
セルを選択して数式バーを下に広げ、2行目が表示されれば、区切りは正しく入っています。

ショートカットで改行すると折り返しは自動でオンになる|オフになる操作

Alt+Enterで改行を入れると、「折り返して全体を表示する」が自動でオンになることがあります。
ふだん何も設定しなくても2行で表示されるのは、この仕組みがあるためです。
ところが、あとから次のような操作をすると折り返しがオフになり、文字が1行で表示されます。

操作折り返しがオフになる理由
「ホーム」タブの「クリア」から「書式のクリア」を実行したセルの書式がすべて初期の状態に戻るため
「折り返して全体を表示する」をもう一度クリックしたボタンはクリックするたびにオンとオフが切り替わるため

具体例として、B2セルに2行で入力した住所があるとします。
表の色や罫線をまとめて消そうとして「書式のクリア」を実行すると、住所は1行につながって表示されます。
このとき文字の中の区切りは残っているため、折り返しをオンに戻せば元の2行の表示に戻ります。

「折り返して全体を表示する」をオンに戻すやり方

折り返しをオンに戻す方法は2通りあります。
いちばん簡単なのは、セルを選択して「ホーム」タブの「折り返して全体を表示する」をクリックする方法です。
ボタンが選択された状態になれば、セルの中が2行で表示されます。

「セルの書式設定」から設定する場合の手順は次のとおりです。

1. セルを選択して右クリックし、「セルの書式設定」を選ぶ(Ctrl+1キーでも開ける)
2. 「配置」タブを開く
3. 「文字の制御」にある「折り返して全体を表示する」にチェックを入れて、「OK」をクリックする

折り返しても2行目が隠れるときは行の高さを確認する

折り返しがオンなのに2行目が隠れている場合は、行の高さが原因と考えられます。
行の高さを手動で変えた行は、折り返しをオンにしても高さが自動で広がりません。
セルの結合を設定している行も、同じく行の高さが自動で調整されないので注意が必要です。

具体例として、次の表の2行目の高さを、ドラッグで1行分に狭めてあるとします。

AB
1顧客名住所
2山田商店東京都千代田区丸の内1-1-1(改行)丸の内ビル5階

この状態では、B2セルには1行目の番地までしか見えません。
2行目の行番号の下側の境界線をダブルクリックすると、行の高さが文字に合わせて2行分に広がります。
「ホーム」タブの「セル」グループにある「書式」から、「行の高さの自動調整」を選んでも同じ結果になります。

実務では、印刷の前に行の高さを確認しておくのがおすすめです。
画面で一部が隠れているセルは、印刷しても同じように切れてしまいます。

初心者がつまずきやすいのは、列の幅を変えたあとに行の高さが合わなくなるケースです。
折り返しの位置が変わって行数が増減するため、列の幅を調整したら行の高さの自動調整もやり直しましょう。
複数の行を選択してから境界線をダブルクリックすると、まとめて調整できます。

結合したセルでは自動調整ができないため、行の高さを手動で広げるか、結合を使わない方法に切り替えます。
セルの結合には、並べ替えやフィルターがうまく動かなくなるデメリットもあります。
セルの結合を使わないほうがよい理由と代替手段は別記事で紹介しているので、表の作り方を見直す参考にしてみてください。

関数でセル内改行できない原因③|CHAR(10)の使い方と改行の削除

3つ目の原因は、関数や数式で行の区切りを指定する方法が合っていないケースです。
数式の中では、Alt+Enterのような区切りを文字として直接入力できません。
代わりに、改行を表す文字をCHAR関数で作って、ほかの文字とつなぎます。

「&」でつないだ文字を改行するにはCHAR関数のCHAR(10)を使う

CHAR関数は、文字コードという番号に対応する文字を返す関数です。
Windows版のExcelでは、10番が改行を表す文字にあたります。
つまり、CHAR(10)を「&」で文字の間に入れると、その位置で行が分かれます。

具体例として、宛名ラベル用に住所と建物名を1つのセルにまとめる表を見てみます。

ABC
1住所建物名宛名ラベル用
2東京都千代田区丸の内1-1-1丸の内ビル5階
3大阪府大阪市北区梅田2-2-2梅田タワー10階

C2セルに、次の数式を入力します。

=A2&CHAR(10)&B2

この数式は、A2セルの住所とB2セルの建物名の間に改行を表す文字をはさんで、1つの文字列にまとめるものです。
折り返しをオンにすると、C2セルには1行目に東京都千代田区丸の内1-1-1、2行目に丸の内ビル5階と表示されます。
C2セルをC3セルへコピーすれば、梅田の住所も同じ形で2行にまとめられます。

ほかのプログラムで使われる「\n」を文字の間に入れても、Excelでは区切りになりません。
次のように入力すると、結果は東京都千代田区丸の内1-1-1\n丸の内ビル5階と、記号がそのまま表示されます。

=A2&”\n”&B2

CHAR(10)の関数で改行したのに表示されないときは折り返しをオンにする

CHAR(10)の数式を入力しただけでは、セルの中は1行で表示されることがあります。
Alt+Enterで入力したときと違い、数式の結果では折り返しが自動でオンにならないためです。
結果のセルを選択して「折り返して全体を表示する」をクリックすれば、2行で表示されます。

区切りの文字がきちんと入っているかは、LEN関数で文字数を数えると確認できます。

=LEN(C2)

この数式は、C2セルの文字数を数えるもので、結果は23になります。
A2セルの15文字とB2セルの7文字を足すと22文字なので、残りの1文字が改行を表す文字です。

実務では、3つ以上のセルをつなぐ場合にTEXTJOIN関数を使うと数式が短くなります。
TEXTJOIN関数は、区切りの文字を指定して複数のセルをまとめる関数で、Excel 2019以降で使えます。
次の数式は、A2セルとB2セルをCHAR(10)で区切ってつなぐもので、結果はC2セルと同じになります。

=TEXTJOIN(CHAR(10),TRUE,A2:B2)

改行をまとめて削除する|置換のCtrl+JショートカットとSUBSTITUTE関数

逆に、ほかのファイルから貼り付けたデータなどで、不要な改行を消したい場面もあります。
数が多い場合は、「検索と置換」の機能を使うとまとめて削除できます。
手順は次のとおりです。

1. 対象のセル範囲を選択する
2. Ctrl+Hキーを押して、「検索と置換」の「置換」を開く
3. 「検索する文字列」の欄をクリックし、Ctrl+Jキーを押す
4. 「置換後の文字列」を空欄のままにして、「すべて置換」をクリックする

Ctrl+Jキーを押すと、見た目では分かりにくいものの、検索欄に改行を表す文字が入ります。
「置換後の文字列」を空欄にすると、行の区切りがあった部分の文字同士がつながります。
読みにくくなる場合は、「置換後の文字列」に半角スペースを入れておくとよいでしょう。

元のデータを残したまま1行にしたい場合は、SUBSTITUTE関数を使います。
A2セルに2行の住所が入っているとき、B2セルに次の数式を入力します。

=SUBSTITUTE(A2,CHAR(10),” “)

この数式は、A2セルの中の改行を表す文字を半角スペースに置き換えるものです。
結果は、東京都千代田区丸の内1-1-1 丸の内ビル5階となります。

初心者がつまずきやすいのは、「すべて置換」で元のデータを直接書き換えてしまうことです。
置換の直後ならCtrl+Zキーで元に戻せますが、ファイルを閉じたあとは戻せません。
大事なデータは先にコピーを取っておくか、SUBSTITUTE関数で別の列に結果を出すと安心です。

SUBSTITUTE関数は、改行のほかにも、不要な空白や記号をまとめて別の文字に置き換えたいときに使える関数です。
SUBSTITUTE関数の使い方は別記事で紹介しているので、データの整え方を広げたい方は確認してみてください。

セル内改行できないときの対処法まとめ|Alt+Enter・折り返し・CHAR(10)を順に確認

Excelのセル内で文字を2行以上に分ける方法は、大きく2つあります。
Alt+Enterで好きな位置に区切りを入れる方法と、折り返しの設定で列の幅に合わせて表示する方法です。
区切る位置が決まっている住所などはAlt+Enter、長いメモは折り返しと使い分けるのが基本です。

うまくいかないときの原因と対処法を整理すると、次のとおりです。

  • 原因①:キーの押し方が違う。Altキーを押したままEnterキーを押し、MacではControl+Option+Returnを使う
  • 原因②:折り返しや行の高さの設定で2行目が見えていない。「折り返して全体を表示する」をオンにし、行の高さを自動調整する
  • 原因③:数式の中で区切りを指定できていない。CHAR(10)を「&」でつなぎ、結果のセルの折り返しをオンにする

症状から原因を見分けるときは、まず数式バーを広げて、2行目が入っているかを確認しましょう。
2行目が入っていれば原因②の表示の問題、入っていなければ原因①か原因③と判断できます。
不要な区切りを消したい場合は、置換でCtrl+Jを使うか、SUBSTITUTE関数で別の列に1行の文字を作ります。

セル内の改行は、住所録や対応メモなど、文字の多い表を読みやすくするのに役立つ操作です。
一方で、検索や集計に使う列では、区切りの文字があることで思わぬ結果になる場合もあります。
表示用の列と、データとして使う列を分けて考えると、トラブルを防ぎやすくなります。

Excelには、セル内の改行のほかにも、表を見やすく整えたり作業を効率化したりできる機能が数多くあります。
Excelでできること一覧では基本機能をまとめて紹介しているので、次に覚える機能を探す参考にしてみてください。