Excelでピボットテーブルを作った後、集計結果をグラフで見せたいと感じる場面は多いと考えられます。しかし、通常のグラフと同じ手順で作ろうとして、思い通りにできない原因が分からず戸惑う人も見られます。
ピボットグラフは、ピボットテーブルの集計結果をそのままグラフに反映できる機能です。作り方のやり方を理解すれば、元データが変わっても集計とグラフを同時に更新できます。フィールドの配置やフィルターの使い方を覚えておくと、集計条件を変えるたびにグラフを作り直す手間もかかりません。
この記事では、ピボットグラフとピボットテーブルの違いを整理したうえで、作り方の手順を具体例とともに解説します。あわせて、初心者がつまずきやすいよくあるミスの原因と対処法、データを更新したときのやり方も紹介します。
ピボットグラフを作る前提として、ピボットテーブルの使い方を先に押さえておくと、この後の手順が理解しやすくなります。
ピボットグラフとは|ピボットテーブルとの違い
ピボットグラフとは、ピボットテーブルの集計結果を棒グラフや折れ線グラフなどの形で視覚化する機能です。通常のグラフが表の数値を直接参照するのに対し、ピボットグラフは集計の仕組みそのものと連動している点が特徴です。
フィールドの配置を変更したり、フィルターで表示する項目を絞り込んだりすると、グラフの見た目も自動的に切り替わります。数値の集計方法を変えるたびにグラフを作り直す必要がない点が、大きな利点です。
ピボットテーブルとの違いは何か
ピボットテーブルとピボットグラフの違いは、結果を表で見るかグラフで見るかという表示形式の違いにあります。裏側で集計しているデータソースやフィールドの構成は共通しており、片方を操作するともう片方にも反映されます。
例えば、ピボットテーブルで商品カテゴリごとの売上を集計しているとします。同じフィールドを使ったピボットグラフを作れば、カテゴリ別の売上を棒グラフで一目で比較できます。表とグラフを両方作る場合でも、元になる集計の仕組みは1つで済みます。
通常のグラフとの違い
通常のグラフとの違いは、フィルターボタンがグラフ上に表示される点です。グラフの右上や周囲に表示されるフィールドボタンを操作するだけで、表示するデータの範囲を絞り込めます。
通常のグラフでこの操作をするには、元の表自体を編集するか、グラフの参照範囲を選び直す必要があります。ピボットグラフではこの手間がかからず、集計条件の変更がそのままグラフに反映されます。
通常のグラフの作り方を先に確認しておくと、ピボットグラフとの操作の違いがより理解しやすくなります。
ピボットグラフの作り方とやり方を手順で解説
ピボットグラフの作り方は、既存のピボットテーブルから作成する方法と、元データから新規に作成する方法の2通りがあります。ここでは代表的な手順を順番に確認します。
既存のピボットテーブルから作る手順
既存のピボットテーブルがある場合の作り方は、次の手順で進めます。
- 集計済みのピボットテーブル内の任意のセルをクリックする
- リボンの「ピボットテーブル分析」タブを選択する
- 「ピボットグラフ」ボタンをクリックする
- グラフの種類を選ぶダイアログで、棒グラフや折れ線グラフなどの種類を選ぶ
- 「OK」を押すと、同じシート上にピボットグラフが挿入される
この手順であれば、既に集計済みのフィールド構成をそのまま引き継げるため、フィールドを配置し直す手間がかかりません。
元データから新規に作る手順
元データの表からピボットグラフを新規に作りたい場合のやり方は、次の通りです。
- グラフ化したい元データの表全体を選択する
- リボンの「挿入」タブから「ピボットグラフ」を選ぶ
- 集計先を新規ワークシートか既存のシートかを選び、「OK」をクリックする
- 表示された「ピボットグラフのフィールド」作業ウィンドウで、行・列・値にフィールドをドラッグする
- フィールドの配置に応じて、ピボットテーブルとピボットグラフが同時に作成される
この方法では、ピボットテーブルとピボットグラフが1つの操作でセットで作られる点が特徴です。
データを更新したときの反映のやり方
元データに行を追加したり数値を修正したりした場合、ピボットグラフは自動では更新されません。グラフを最新の状態にするやり方は、グラフ上で右クリックして「更新」を選ぶことです。もしくは「ピボットテーブル分析」タブの「更新」ボタンを押す方法もあります。
更新を忘れると、実際の数値と表示されているグラフの内容がずれたままになります。元データを修正した後は、必ず更新する習慣をつけておくと安心です。
グラフの種類ごとの使い分けを先に確認しておくと、ピボットグラフでどの種類を選ぶべきか判断しやすくなります。
ピボットグラフの具体例で使い方を確認
具体的な操作イメージをつかむために、実際のデータをもとにした例を確認します。ここでは店舗別の売上データを使い、ピボットグラフの使い方を2つの視点で見ていきます。
店舗別売上を比較する具体例
以下のような元データがあるとします。
| A | B | C | |
|---|---|---|---|
| 1 | 店舗 | 月 | 売上 |
| 2 | 渋谷店 | 4月 | 180000 |
| 3 | 新宿店 | 4月 | 150000 |
| 4 | 渋谷店 | 5月 | 210000 |
| 5 | 新宿店 | 5月 | 170000 |
この表全体(A1:C5)を選択し、行フィールドに「店舗」、値フィールドに「売上」を配置してピボットグラフを作成します。すると、渋谷店と新宿店の売上を棒の高さで比較できるグラフが表示されます。渋谷店の売上が新宿店を上回っていることが、グラフの棒の高さから一目で分かります。
この使い方は、複数の店舗や部署のように、カテゴリ別の数値を比較したい場面に適しています。フィールドを差し替えるだけで、比較対象を柔軟に変更できる点も利点です。
月別推移を確認する具体例
同じ元データで、行フィールドに「月」、値フィールドに「売上」を配置し、グラフの種類を折れ線グラフに変更します。すると、4月から5月にかけての売上の推移を線で確認できます。フィルターで店舗を「渋谷店」のみに絞り込めば、渋谷店単体の推移だけをグラフに表示することも可能です。
この使い方は、時系列での変化を見たい場合に有効です。フィールドの配置を切り替えるだけで、比較したい軸を柔軟に変更できる点が、ピボットグラフならではの強みです。
元データを事前にテーブル機能で整理しておくと、ピボットグラフの管理もしやすくなります。行を追加した際に、集計範囲も自動的に広がります。
ピボットグラフでよくあるミスと対処法
ピボットグラフの作成でつまずきやすいポイントには、いくつか共通した原因があります。ここでは代表的な3つのミスとその対処法を紹介します。
元データを更新してもグラフが変わらないミス
1つ目は、元データを修正したのにグラフの見た目が変わらないミスです。原因は、ピボットグラフが自動更新される仕組みではなく、手動で更新する必要があるためです。対処法は、データを修正した後にグラフ上で右クリックして「更新」を選ぶことです。
このミスは、複数人でファイルを共有している場合に特に起こりやすいといえます。他の人が入力した最新データが反映されていないまま、資料に使ってしまうこともあります。修正のたびに更新する習慣をつけておくと防げます。
フィールドボタンを誤って削除してしまうミス
2つ目は、グラフ上のフィールドボタンを見た目が気になって削除してしまうミスです。フィールドボタンを削除すると、後からフィルターで絞り込みたいときに操作できなくなります。対処法は、「ピボットグラフ分析」タブの「フィールドボタン」から表示・非表示を切り替えることです。
印刷時など見た目を整えたい場面では、削除ではなく非表示にする設定を使えば、必要なときにまた表示できる状態を保てます。
グラフの種類が集計内容に合っていないミス
3つ目は、集計しているデータの性質とグラフの種類が合っていないミスです。例えば、時系列の推移を見たいのに円グラフを選んでしまうと、変化の傾向が伝わりにくくなります。対処法は、比較したいのか推移を見たいのかを先に決めてから、グラフの種類を選び直すことです。
グラフの種類は作成後でも「ピボットグラフ分析」タブの「グラフの種類の変更」からいつでも変更できます。一度作った後に見づらいと感じたら、種類を見直すことをおすすめします。
ピボットグラフまとめ|元データの更新に強い集計グラフ
ピボットグラフは、ピボットテーブルの集計結果と連動してグラフを自動的に切り替えられる機能です。既存のピボットテーブルから作る方法と、元データから新規に作る方法のどちらも、基本の手順さえ押さえれば難しくありません。
元データを修正した後は、グラフが自動更新されない点に注意し、必ず手動で更新することが大切です。グラフの種類が集計内容に合っているかも、作成後に見直しておくと安心です。複数人でファイルを共有している場合は、この更新忘れが特に起こりやすい点にも気を付けておきたいところです。
フィールドの配置やフィルターを切り替えるだけで、比較したい軸や表示範囲を柔軟に変更できます。この点は、通常のグラフにはないピボットグラフならではの強みです。基本の作り方を覚えておけば、集計から可視化までの作業を一つの操作でまとめて行えるようになります。
ピボットテーブルの集計方法とあわせて、ピボットグラフによる視覚化も扱っています。操作に慣れてきた段階で読むと、理解がより深まります。
ピボットグラフ以外にもExcelでできることを幅広く知りたい方は、こちらの記事でExcel全体の基本機能を確認できます。





