【Excel初心者向け】マクロを有効にする方法|有効にならない原因と対処法

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同僚や取引先から受け取ったExcelファイルを開いたら、画面の上に黄色や赤の帯が出て、ボタンを押しても何も起きない。
そんな経験をしたことはないでしょうか。
これは、ファイルに入っているマクロ(操作を自動で実行する仕組み)が、安全のために止められている状態です。

黄色い帯なら、ボタンを1回押すだけで動かせるようになります。
一方で、赤い帯が出たり、帯そのものが出なかったりすると、どこを押せばよいのか分からず困ってしまいます。
保存し直したら自動化の処理が消えてしまった、という相談もよく聞かれます。

この記事では、Excelでマクロを有効にする方法を、表示される帯の色ごとに順を追って紹介します。
あわせて、有効にならない原因を3つに分け、それぞれの対処法とやり方を具体例で取り上げます。
最後に、安全に使うための注意点もまとめます。

そもそもマクロとは何か、VBAとどう違うのかを先に知りたい場合は、基本を解説した記事が参考になります。
操作の記録から始める自動化の手順も紹介しています。

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マクロを有効にする方法とは?「コンテンツの有効化」の基本のやり方

Excelのマクロは、記録した操作やVBAのコードを自動で実行する仕組みです。
便利な反面、悪意のある人が仕込んだコードが勝手に動くと、パソコンが被害を受けるおそれがあります。
そのためExcelは、自動化の処理を含むファイルを開くと、初期設定では処理を止めた状態で開きます。

止められているかどうかは、リボンの下に出る帯の色で見分けられます。
帯の色ごとの状態と対処法は、次のとおりです。

帯の色表示される言葉状態対処法
黄色「セキュリティの警告」一時的に止まっている「コンテンツの有効化」を押す
赤「セキュリティ リスク」インターネットから入手したためブロックされているファイルのプロパティで「許可する」にチェックを入れる(原因①)
帯が出ないなし設定で警告なしに止められている、または処理がブックに入っていない設定や拡張子を確かめる(原因②③)

黄色い帯が出ていれば、この章の手順ですぐに動かせます。
赤い帯や、帯が出ない場合は、後半の原因①〜③を順に確かめてください。

マクロが止まるのはセキュリティの警告で守られているため

黄色い帯の左端には、「セキュリティの警告」と表示されます。
これは、ファイルに自動で動く処理が入っているものの、いったん止めてあるという知らせです。
シートの閲覧や入力は普段どおりにでき、ボタンなどの処理だけが動かない状態になります。

帯を閉じても、処理は止まったままファイルを使えます。
ただし、次に同じファイルを開くと、また同じ帯が表示されます。
中身を確かめてから動かすかどうかを決められるように、こうした仕組みになっています。

黄色い帯は「コンテンツの有効化」で解除できる|赤いブロックとの違い

たとえば、社内の共有フォルダーにある「売上集計.xlsm」を開いて、黄色い帯が出たとします。
この場合のやり方は、次のとおりです。

1. 帯に「セキュリティの警告」と表示されていることを確かめる
2. 作成者や送り主が分かっていて、信頼できるファイルかを確かめる
3. 帯にある「コンテンツの有効化」をクリックする
4. 信頼済みドキュメントにするかを確認する画面が出た場合は、「はい」を選ぶ

これで帯が消え、ファイル内の処理を実行できるようになります。
一方、赤い帯には「コンテンツの有効化」のボタンがありません。
赤い帯が出たときは、Excelの外での操作が必要になるため、原因①の手順に進んでください。

拡張子が.xlsmのブックでマクロを実行する具体例

有効にしたら、実際に処理を動かして結果を確かめます。
「売上集計.xlsm」のシートには、次の表が入っているとします。

AB
1店舗売上
2本店128000
3駅前店94000
4郊外店76000
5合計

A列が店舗名、B列が各店舗の売上で、B5の合計欄はまだ空欄です。
このブックには、B5に合計の数式を入れる「合計を入れる」という名前のマクロが入っています。
中身のVBAのコードは、次の3行です。

Sub 合計を入れる()
    Range("B5").Formula = "=SUM(B2:B4)"
End Sub

Alt+F8キーを押すと、「マクロ」の画面が開きます。
一覧から「合計を入れる」を選び、「実行」をクリックしてください。
すると、セルB5に次の数式が入ります。

=SUM(B2:B4)

B5には298000と表示されます。
これは、本店・駅前店・郊外店の3店舗の売上を合計した金額です。
この画面は、「開発」タブの「マクロ」ボタンからも開けます。

一度有効にするとセキュリティの警告は次回から出ない

「コンテンツの有効化」を押したファイルは、信頼済みドキュメントとして記録されます。
次回からは、同じファイルを開いても黄色い帯は出ず、そのまま処理を使えます。
ただし、ほかの人がファイルを書き換えると、もう一度帯が表示されることがあります。

実務では、ボタンを押す前に「誰が作ったファイルか」を確かめる習慣をつけておくと安心です。
見覚えのない相手から届いたファイルや、内容に心当たりのないファイルでは、押さずに送り主に確認します。
押してしまったあとで不安になった場合は、ファイルを閉じて社内の担当者に相談しましょう。

初心者がつまずきやすいのは、帯の右端にある閉じるボタンで、帯だけを閉じてしまうケースです。
その場合は、いったんファイルを閉じて開き直すと、もう一度帯が表示されます。

Alt+F8キーのように、キーの組み合わせで画面を開く操作はショートカットキーと呼ばれます。
定番のショートカットキーと、効かないときの原因は別の記事で紹介しています。

マクロが有効にならない原因①|インターネットから入手したファイルのブロック

赤い帯が出る原因は、ファイルをインターネットから入手したことです。
Microsoftは2022年以降、こうしたファイルのマクロを初期設定でブロックするように変更しました。
メールの添付ファイルや、ブラウザーでダウンロードしたファイルが対象です。

Windowsは、こうしたファイルに「インターネットから来た」という目印を付けて保存します。
Excelはこの目印を見て、ファイル内の処理を実行させないようにしています。
なお、この変更はWindows版のExcelが対象で、Mac版やWeb版のExcelには影響しないとされています。

赤い「セキュリティ リスク」の帯の見分け方

たとえば、取引先からメールで届いた「見積書作成.xlsm」を開いたとします。
リボンの下に赤い帯が出て、左端に「セキュリティ リスク」と表示されれば、この原因に当たります。
帯には、次のメッセージが表示されます。

「このファイルのソースが信頼できないため、Microsoftによりマクロの実行がブロックされました。」

ソースとは、ここではファイルの入手元のことです。
黄色い帯と違い、この帯には処理を動かすためのボタンがありません。
Excelの中の設定をいくら変えても解決しないことが多いため、次の手順でファイル側の目印を外します。

プロパティの「許可する」でブロックを外すやり方

「見積書作成.xlsm」の目印を外す手順は、次のとおりです。

1. Excelでファイルを開いている場合は、いったん閉じる
2. エクスプローラーでファイルを右クリックし、「プロパティ」を選ぶ
3. 「全般」タブの下の方にある「セキュリティ」欄で、「許可する」にチェックを入れる
4. 「OK」をクリックして画面を閉じる
5. ファイルを開き直し、黄色い帯が出た場合は「コンテンツの有効化」を押す

手順3の「許可する」にチェックを入れると、ファイルからインターネットの目印が取り除かれます。
開き直したときに赤い帯が出なければ、処理を実行できる状態です。
解説によっては、この欄を「ブロックの解除」と呼んでいることもあります。

自分で作ったファイルでもセキュリティ リスクの帯が出るケース

自分で作ったファイルでも、赤い帯が出ることがあります。
たとえば、自分宛てにメールで送ったファイルや、クラウドのストレージからダウンロードし直したファイルです。
いったんインターネットを経由したため、ほかの人から届いたファイルと同じように扱われます。

社内の共有フォルダーにあるファイルでも、ネットワークの設定によっては赤い帯が出ることがあります。
その場合は、プロパティに「許可する」の欄が表示されないこともあります。
自分では外せないため、社内のシステム担当者に相談しましょう。

実務では、「許可する」にチェックを入れる前に、送り主に電話や社内チャットで確かめると安心です。
メールの送り主が本物かどうかは、メールの画面だけでは判断しにくいためです。
特に、急ぎを装って開くよう促すメールの添付ファイルには注意が必要です。

初心者がつまずきやすいのは、プロパティを開いても「許可する」の欄が見当たらないケースです。
この欄は、インターネットから入手したファイルにだけ表示されます。
欄がなければ原因はこのブロックではないため、原因②③を確かめてください。

メールの添付ファイルは、マクロとは別に、保護ビューという読み取り専用の状態で開くこともあります。
保護ビューの仕組みや、ファイルが開けないときの対処法は別の記事で紹介しています。

マクロが有効にならない原因②|トラスト センターの設定で無効になっている

帯がまったく出ないのに処理が動かない場合は、Excelの設定が原因かもしれません。
自動化の処理をどう扱うかは、「トラスト センター」という画面の「マクロの設定」で決まります。
古いバージョンでは、この画面は「セキュリティ センター」と表記されています。

マクロの設定には、次の4つの選択肢があります。

順番選択肢の内容ファイルを開いたときの動き
1番目警告を表示せずに無効にする帯が出ず、処理も動かない
2番目(初期設定)警告を表示して無効にする黄色い帯が出て、「コンテンツの有効化」で動かせる
3番目デジタル署名されたもの以外を無効にする信頼された発行元の署名があるものだけ動く
4番目すべて有効にする警告なしで、どのファイルの処理も動く

1番目が選ばれていると、黄色い帯すら出ないため、有効にするきっかけがありません。
誰かが設定を変えていた場合や、以前に自分で変えたことを忘れている場合に起こります。

マクロのセキュリティ設定が警告なしの無効になっていないか確かめるやり方

設定を初期状態に戻す手順は、次のとおりです。

1. 「ファイル」タブをクリックし、「オプション」を選ぶ(見当たらない場合は「その他」の中にある)
2. 「トラスト センター」を選び、「トラスト センターの設定」をクリックする
3. 左側の「マクロの設定」をクリックする
4. 上から2番目の、警告を表示して無効にする項目を選ぶ
5. 「OK」を押して画面を閉じ、Excelのオプションも「OK」で閉じる
6. 処理が動かなかったファイルを閉じて、開き直す

古いバージョンでは、2番目の項目は「警告を表示してすべてのマクロを無効にする」と表記されています。
開き直して黄色い帯が出れば、「コンテンツの有効化」で動かせます。
一番下の、すべてを有効にする項目は、危険なファイルの処理まで動いてしまうため選ばないようにします。

信頼できる場所に保存してブロックや警告を省くやり方

毎月決まったファイルを使う場合は、「信頼できる場所」に登録する方法もあります。
登録したフォルダーに保存したファイルは、帯を出さずに処理が有効な状態で開きます。
インターネットから入手したファイルでも、ブロックの判定を受けずに開ける仕組みです。

たとえば、本社から毎月届く「月次報告.xlsm」を、自分のパソコンの専用フォルダーに保存するとします。
そのフォルダーを登録する手順は、次のとおりです。

1. 「トラスト センターの設定」を開き、左側の「信頼できる場所」をクリックする
2. 「新しい場所の追加」をクリックし、専用フォルダーを選ぶ
3. 中のフォルダーも対象にする場合は、「この場所のサブフォルダーも信頼する」にチェックを入れる
4. 「OK」をクリックして画面を閉じる

ただし、登録したフォルダーのファイルはチェックを受けずに処理が動くため、慎重に使う必要があります。
ダウンロード用のフォルダー全体や、多くの人がファイルを置ける共有フォルダーは登録しないようにしましょう。
内容を確かめたファイルだけを、自分専用のフォルダーへ移す使い方が安全です。

会社のパソコンでセキュリティ設定を変えられないとき

会社のパソコンでは、システム管理者が設定を一括で決めていることがあります。
その場合、トラスト センターの項目が選べなくなっていたり、変えても元に戻ったりします。
個人の操作では変えられないため、社内のシステム担当者に問い合わせましょう。

実務では、問い合わせる前に、ファイル名と表示された帯の色を控えておくと話が早く進みます。
初心者がつまずきやすいのは、設定を変えたあとにファイルを開き直していないケースです。
変更は次にファイルを開いたときから反映されるため、必ず閉じてから開き直します。

この設定画面は、「開発」タブの「マクロのセキュリティ」から直接開くこともできます。
ただし、開発タブは初期設定では表示されないため、リボンに追加しておく必要があります。
開発タブを表示する手順は、チェックボックスの作り方を紹介した記事で解説しています。

マクロが有効にならない原因③|拡張子が.xlsxでマクロが保存されていない

帯が出ない原因として、そもそもファイルに処理が入っていないことも考えられます。
Excelのブックは、拡張子(ファイル名の末尾の「.」以降の文字)によって、マクロを保存できるかどうかが決まります。
主な2つの形式の違いは、次のとおりです。

拡張子形式の名前マクロの保存
.xlsxExcel ブックできない
.xlsmExcel マクロ有効ブックできる

新しく作ったブックは、通常.xlsxで保存されます。
そのため、操作を記録したあとにいつもどおり保存すると、記録した処理が保存されないことがあります。

拡張子.xlsxのブックにはマクロが保存されない理由

.xlsxは、自動化の処理を含まない通常のブックのための形式です。
処理が入ったブックを.xlsxで保存しようとすると、マクロを保存できないことを知らせる確認画面が出ます。
ここで「はい」を選ぶと、処理を取り除いた状態で保存されます。

たとえば、前の章の「売上集計.xlsm」を、「売上集計.xlsx」として保存し直したとします。
開き直しても帯は出ず、Alt+F8キーで開いた「マクロ」の画面にも「合計を入れる」は表示されません。
一方で、セルB5に入った合計の数式と、298000という結果は残ります。

消えるのは、処理の手順を書いたVBAのコードだけです。
すでに処理を実行して書き込まれた数式や値は、通常のデータとしてブックに残ります。
「数式は残っているのに、ボタンが動かない」という状態は、この保存の仕方が原因のことがあります。

マクロ有効ブックで保存し直す手順とセキュリティ上の注意

処理を残したまま保存する手順は、次のとおりです。

1. 「ファイル」タブをクリックし、「名前を付けて保存」を選ぶ
2. 保存先を選び、「名前を付けて保存」の画面を開く
3. 「ファイルの種類」で「Excel マクロ有効ブック (*.xlsm)」を選ぶ
4. 「保存」をクリックする

確認画面が出た時点で気づいた場合は、「いいえ」を選べば保存をやめて、形式を選び直せます。
すでに.xlsxで保存して閉じた場合は、処理は元に戻らないため、元のファイルを探すか作り直します。
大切な処理が入ったブックは、保存する前に形式を確かめる習慣をつけておきましょう。

セキュリティの面では、拡張子が.xlsmのファイルは、開く前から処理入りだと見分けられる点が役立ちます。
.xlsxと.xlsmではアイコンの見た目も違うため、知らない相手からの.xlsmは特に慎重に扱います。
拡張子が表示されていない場合は、エクスプローラーの表示設定で表示できます。

メールで送ったxlsmファイルがブロックされるときの伝え方

自分が作った.xlsmのファイルを、メールで社外に送る場面もあります。
受け取った側では、原因①のとおり赤い帯が出て、処理がブロックされます。
送る側が先に伝えておくと、受け取った人が迷わずに済みます。

実務では、メール本文に次の2点を書き添えておくと親切です。
1つ目は、ボタンを使う場合はファイルのプロパティで「許可する」にチェックを入れてほしいこと。
2つ目は、不審に思った場合は電話などで送り主に確かめてほしいことです。

初心者がつまずきやすいのは、受け取った人に「コンテンツの有効化」を押してくださいとだけ伝えるケースです。
インターネットを経由したファイルではこのボタンが出ないため、相手が手順どおりに進めなくなります。
共同編集で使う場合は、メールではなく社内の共有の仕組みでファイルを渡す方法もあります。

拡張子ごとに共同編集できるかどうかは、ブックの共有・共同編集の記事で表にまとめています。

マクロが有効にならないときの対処法まとめ|帯の色と拡張子で原因を見分ける

Excelでマクロを使えるようにするには、まず画面に出ている帯の色を確かめることが近道です。
最後に、この記事の要点を整理します。

  • 黄色い「セキュリティの警告」は、「コンテンツの有効化」を押せば動かせる
  • 赤い「セキュリティ リスク」は、ファイルのプロパティで「許可する」にチェックを入れる
  • 帯が出ないときは、トラスト センターのマクロの設定が警告なしの無効になっていないか確かめる
  • それでも動かないときは、拡張子が.xlsxで処理が保存されていない可能性がある
  • 有効にする前に、作成者や送り主が信頼できるかを必ず確かめる

どの原因でも、設定を変えたあとはファイルを閉じて開き直すのがポイントです。
毎月使うファイルは、自分専用のフォルダーを信頼できる場所に登録しておくと、毎回の操作が省けます。
会社のパソコンで設定を変えられない場合は、無理に回避しようとせず担当者に相談しましょう。

Excelには、自動化のほかにも仕事に役立つ機能が数多くあります。
どんな機能があるかを一覧で確かめたい場合は、Excelでできること一覧の記事を参考にしてください。