【Excel初心者向け】矢印キーでセルが移動しない原因|Scroll Lock解除のやり方

記事内に広告が含まれています。

Excelで矢印キーを押したのに、選んでいるセルが動かずに困ったことはないでしょうか。画面だけが動いたり、セルの中の文字の間をカーソルが動いたりと、症状はいくつかあります。どれも故障ではなく、キーの設定や入力の状態が原因のことがほとんどです。

いちばん多い原因は、Scroll Lock(スクロールロック)という機能がオンになっていることです。ほかに、セルの編集中や、F8キーで選択範囲を広げるモードに入っている場合もあります。シートの保護やテンキーの設定によって、思ったとおりに動かないこともあります。

この記事では、まず画面の下にあるステータスバーで原因を見分けるやり方を説明します。そのあとに、Scroll Lockの解除のやり方と、編集中やシートの保護で動かないときの対処法を順に紹介します。どの原因も、数回のキー操作や設定の確認で元に戻せます。

矢印キー以外のショートカットキーが効かないときの原因は、別の記事でまとめています。F2キーやF4キーなど、定番のキーの使い方もあわせて確かめておくと安心です。

スポンサーリンク

矢印キーでセルが移動しない原因とは?症状とステータスバーで見分けるやり方

矢印キーは、選んでいるセル(アクティブセル)を上下左右に1つずつ動かすキーです。それが動かないときは、Excelがいつもと違う状態になっていると考えられます。原因は症状によって分かれるため、まずは何が起きているかを落ち着いて見ます。

主な症状と原因の対応は、次の表のとおりです。

矢印キーを押したときの症状考えられる原因ステータスバーの表示
セルの枠は動かず、画面だけが動くScroll LockがオンScrollLock
選んだ範囲がどんどん広がる選択範囲の拡張がオン選択範囲の拡張
セルの中の文字の間をカーソルが動くセルの編集中編集
数式の中にセル番地が入る数式の入力中参照
一部のセルにしか移動できないシートの保護表示なし
テンキーの矢印で数字が入るNumLockがオン初期設定では表示なし

表の右の列は、画面のいちばん下にあるステータスバーに出る文字です。上の4つの原因は、この表示を見るだけで見分けられます。

ステータスバーの表示で原因を見分ける

ステータスバーは、Excelの画面の最下部にある細長い帯です。左端にはセルの状態を表す「準備完了」「入力」「編集」などの文字が出ます。Scroll Lockのようなキーの状態も、同じ帯の中に表示されます。

例えば、A1を選んだ状態で→キーを3回押すと、ふだんはD1に移動します。Scroll Lockがオンのときは、選択はA1のままで、画面の表示だけが右へずれていきます。このとき画面の左下に「ScrollLock」と出ていれば、原因はScroll Lockだと判断できます。

選んだ範囲が広がっていく場合は、左下に「選択範囲の拡張」と出ていないかを見ます。この表示があれば、F8キーで入るモードがオンになっています。

編集モードかどうかで矢印キーの動きが変わる

もう1つの例として、B2に入力した「商品A」を、ダブルクリックして直している場面を考えます。このとき→キーを押すと、カーソルはセルの中の文字の間を右へ動きます。これは、セルの中身を直すための編集モードに入っているためです。

この状態では、ステータスバーの左端に「編集」と表示されます。Enterキーで入力を確定すれば、矢印キーでまたセルを移動できます。

実務では、ほかのキーと間違えて押したことが原因になる場合が多くあります。例えばF8キーは、日本語入力で半角カタカナに変換するときにも使うキーです。変換のつもりで押したときに、Excelの側では選択範囲の拡張がオンになることがあります。

初心者がつまずきやすいのは、ステータスバーに何も出ていないのに画面だけが動く場合です。これは、Scroll Lockの表示を出さない設定になっているためと考えられます。表示の出し方は、次の章で説明します。

なお、画面を下へ動かしても見出しの行を残しておきたいときは、ウィンドウ枠の固定という別の機能を使います。Scroll Lockとは目的が違う機能のため、使い分けを知っておくと混乱しにくくなります。

矢印キーで画面が動く原因はScroll Lock|解除のやり方

Scroll Lockは、矢印キーを押したときに、セルではなく画面を動かすための機能です。セルの選択を変えずに、離れた場所の表を見たいときに使われます。ただ、ふだんは使わない人が多く、知らないうちにオンになっていると戸惑います。

ScrLkキーでScroll Lockを解除するやり方

Scroll Lockは、キーボードのScroll Lockキーを押すたびに、オンとオフが切り替わります。キーには「ScrLk」と短く書かれていることが多くあります。オンのときに1回押せば解除でき、矢印キーでセルが動くようになります。

例えば、A1を選んで↓キーを5回押したのに、選択がA1のままで画面だけが下へ動いたとします。この場合は「ScrLk」キーを1回押してから、もう一度↓キーを押します。選択がA2に移動すれば、解除できています。

ノートパソコンでは、Scroll LockキーがFnキーとの組み合わせに割り当てられていることがあります。組み合わせは機種によって違うため、パソコンの説明書で確かめてから押します。思いつきで組み合わせを試すと、別の機能がオンになるおそれがあるためです。

ステータスバーでScroll Lockの状態を確かめる

Scroll Lockがオンのときは、ステータスバーの左下に「ScrollLock」と表示されます。キーを押して解除すると、この表示が消えます。キーを押したあとは、表示が消えたかどうかで結果を確かめます。

表示が出ないまま画面だけが動く場合は、ステータスバーの設定を見ます。ステータスバーの上で右クリックすると、表示する項目の一覧が出ます。一覧の「ScrollLock」の左にチェックが入っていなければ、クリックしてチェックを入れます。

これで、オンのときは表示が出るようになります。初期設定ではチェックが入っている項目のため、外れている場合は誰かが設定を変えたと考えられます。

キーがないときはスクリーンキーボードで解除する

キーボードにScroll Lockキーが見当たらない場合は、Windowsのスクリーンキーボードを使います。スクリーンキーボードは、画面上に表示してマウスで押せるキーボードです。

使い方は、まずWindowsのスタートボタンを押し、「スクリーンキーボード」と入力して検索します。検索結果から起動すると、画面にキーボードが表示されます。その中の「ScrLk」ボタンをクリックすると、Scroll Lockを解除できます。

WindowsキーとCtrlキーを押しながらOキーを押しても、スクリーンキーボードを出せます。解除できたら、右上の×ボタンで閉じて構いません。

実務で知っておきたいのは、Scroll Lockはファイルではなくキーボードの状態だという点です。そのため、ファイルを開き直しても元に戻らないと考えられます。別のファイルでも同じ症状が出るときは、まずScroll Lockを疑うと早く解決できます。

編集中に矢印キーでセルが移動しない原因|編集モードと選択範囲の拡張

セルに文字や数式を入れている途中は、矢印キーの働きが変わります。Excelには、未入力のセルに入力する「入力」の状態と、入力済みのセルを直す「編集」の状態があります。どちらの状態かによって、キーを押したときの動きが違います。

編集モードでは矢印キーが文字の間を動く

編集モードは、セルをダブルクリックしたときや、F2キーを押したときに入る状態です。このとき←キーと→キーは、セルの中でカーソルを動かすために働きます。数式の一部を直したいときには、この動きが便利です。

例として、次のような経費の表で、B5の合計の数式を直す場面を考えます。

AB
1費目金額
2交通費120000
3会議費80000
4消耗品費50000
5合計

B5には、次の数式が入っているとします。

=SUM(B2:B3)

この数式は、B2からB3までの2行だけを合計しているため、結果は200000です。本来は消耗品費の4行目まで含めたいので、範囲を直します。

B5を選んでF2キーを押すと、数式の末尾にカーソルが表示されます。ここで←キーを1回押すと、カーソルが「)」の前に移動します。BackSpaceキーで3を消して4を入力し、Enterキーで確定すると、数式は次のようになります。

=SUM(B2:B4)

B5には250000と表示されます。これは、交通費・会議費・消耗品費の3行を足した経費の合計です。

ステータスバーの「入力」と「参照」で数式の入力中を見分ける

未入力のセルに文字を入れている「入力」の状態では、矢印キーを押すと入力が確定してセルが移動します。ただし、数式を入力している途中では動きが変わります。キーを押して選んだセルの番地が、数式の中に入ります。

例えば、空のB5に次のように入力したところで、←キーを押したとします。

=SUM(

すると数式は次のようになり、ステータスバーの左下は「参照」に変わります。

=SUM(A5

カーソルを動かしたつもりが、隣のA5を選んだことになったのです。

この場合は、F2キーを押して編集モードに切り替えます。F2キーは「入力」と「編集」を切り替えるキーで、切り替えたあとは←キーでカーソルが動きます。

F8キーで選択範囲の拡張を解除する

矢印キーを押すたびに、選んだ範囲が広がっていく場合は、選択範囲の拡張がオンになっています。ふだんはShiftキーと一緒に押して範囲を広げますが、このモードではShiftキーなしで広がります。ステータスバーには「選択範囲の拡張」と表示されます。

解除するには、F8キーをもう1回押します。表示が消えれば、矢印キーでセルを1つずつ移動できる状態に戻ります。

実務では、入力が終わったらEnterキーで確定してから矢印キーを使う習慣をつけると、迷いにくくなります。初心者がつまずきやすいのは、F2キーを押しても変わらないと感じる場面です。そのときは、ステータスバーの左端が「入力」「編集」「参照」のどれかを見てから操作します。

数式を「=」から書き始める決まりや、入力のルールは、数式の基本の記事で説明しています。数式の入力に慣れておくと、参照の状態にも気づきやすくなります。

シートの保護やテンキーで矢印キーが効かない原因と解除のやり方

ステータスバーに何も出ていないのに、思ったセルへ移動できないこともあります。この場合は、シートの保護の設定や、テンキーの状態が原因として考えられます。どちらもExcelの故障ではなく、設定を確かめれば対処できます。

シートの保護を解除して移動できるセルを確かめる

シートの保護は、表の数式や見出しを書き換えられないように守る機能です。保護するときの設定で「ロックされたセル範囲の選択」のチェックを外すと、守られたセルは選べなくなります。作成者が、入力用のセルだけを選ばせるために、あえて外していることもあります。

例えば、申請書のシートで、入力用のB2からB4だけが使える設定になっているとします。この場合、B4から↓キーを押しても、合計の数式が入ったB5には移動しません。B5が守られたセルで、選べない設定になっているためです。

自分で作ったシートなら、「校閲」タブの「シート保護の解除」で保護を外せます。保護を残したまま選べるようにしたいときは、もう一度「シートの保護」を開きます。「ロックされたセル範囲の選択」と「ロックされていないセル範囲の選択」の両方にチェックを入れて保護し直します。

テンキーで数字が入るときはステータスバーでNumLockを確かめる

キーボードの右側にあるテンキーの2・4・6・8には、矢印の印が書かれていることがあります。これらのキーは、NumLockがオフのときは矢印キーとして動き、オンのときは数字を入力します。テンキーの8で上へ動かそうとして「8」と入力された場合は、NumLockがオンになっています。

NumLockキーを1回押すとオフになり、テンキーで矢印の操作ができます。ただし、ノートパソコンでは、NumLockで文字キーの一部が数字キーに変わる機種もあります。ふだんの入力に戻すときは、もう一度押してオンとオフを確かめます。

NumLockの状態は、初期設定ではステータスバーに表示されません。ステータスバーを右クリックして出る一覧で、NumLockの項目にチェックを入れると表示されるようになります。

実務では、ほかの人が作ったシートの保護を勝手に解除しないことが大切です。入力の順番や、守るべき数式を考えて設定されている場合があるため、作成者に確かめてから外します。

どの原因にも当てはまらないときは、メモ帳など別のアプリで矢印キーが動くかを試します。別のアプリでも動かなければ、キーボードの不具合が考えられます。

シートの保護の設定や、パスワードがかかっているときの対処は、シートの保護の記事で詳しく説明しています。

矢印キーが動かないときの対処法まとめ|まずステータスバーを確かめる

矢印キーでセルが動かないときは、故障を疑う前に、画面の最下部にあるステータスバーを見ます。表示されている文字で、原因の多くを見分けられます。

  • 画面だけが動き、「ScrollLock」と出ている:「ScrLk」キーを押して解除する。キーがなければスクリーンキーボードを使う
  • 選んだ範囲が広がり、「選択範囲の拡張」と出ている:F8キーをもう1回押す
  • 文字の間をカーソルが動き、「編集」と出ている:Enterキーで確定してから移動する
  • 数式にセル番地が入り、「参照」と出ている:F2キーで編集モードに切り替える
  • 一部のセルに移動できない:シートの保護の設定を確かめる
  • テンキーで数字が入る:NumLockキーでオンとオフを切り替える

ステータスバーに表示が出ないときは、右クリックで表示する項目を確かめます。特にScroll Lockは、表示が外れていると原因に気づきにくいため、チェックを入れておくと安心です。

どの原因も、キーを1回押すか設定を1つ直すだけで元に戻せます。慌てて何度もキーを押すと、別のモードに入ってしまうこともあるため、表示を見てから1つずつ試します。

Excelの基本機能をひととおり見渡したいときは、できることを一覧にした記事もあわせて確かめてみてください。