行数や列数の多い表では、必要な部分を探すだけでも時間がかかります。
明細を一時的に隠したいけれど、毎回非表示にして戻すのは手間だと感じる方も多いのではないでしょうか。
そのようなときに役立つのが、Excelのグループ化です。
この記事では、行や列をグループ化するやり方と、解除のしかたを手順に沿って解説します。
あわせて、非表示との違いや、集計表での具体的な使い方も紹介します。
ボタンが選べない、解除できないといったときの原因と対処法も確認していきます。
グループ化を使うと、画面に表示される記号をクリックするだけで、行や列を開いたり閉じたりできます。
隠した場所が記号で分かるので、後から表を見る人にとっても親切です。
初めての方でも試せるよう、タブ名やボタン名を挙げて説明します。
なお、すでに隠れている行や列を戻せずに困っている場合は、原因の見分け方を先に確認すると近道です。
非表示の行・列を再表示できない原因については、別の記事でまとめています。
Excelのグループ化とは?非表示との違いと折りたたみの仕組み
グループ化とは、連続した行や列を1つにまとめて、まとめて開閉できるようにする機能です。
Excelの画面では「アウトライン」とも呼ばれ、「データ」タブにボタンがあります。
データは消えず、画面に表示するかどうかを切り替えるだけなので、安心して使えます。
行や列を折りたたみで隠せる仕組み
設定すると、行番号の左側や列番号の上側に「-」の記号が表示されます。
「-」をクリックすると対象の行や列が閉じて、記号が「+」に変わります。
「+」をクリックすれば、元のように開きます。
具体例として、5行目から7行目をまとめた表を考えてみます。
「-」をクリックすると、行番号は4の次が8になり、3行分が画面から隠れます。
もう一度「+」をクリックすると、行番号が4、5、6、7、8と続いて表示されます。
非表示との違いは解除や再表示の手間
行や列を隠す方法には、非表示の機能もあります。
見た目は似ていますが、戻すときの手間と、隠した場所の分かりやすさが違います。
| 比較する点 | グループ化 | 非表示 |
|---|---|---|
| 隠した場所の分かりやすさ | 記号で分かる | 番号の飛びで判断する |
| 元に戻す操作 | 「+」をクリックする | 範囲を選んで「再表示」を選ぶ |
| 離れた範囲の扱い | 範囲ごとに設定する | 一度の操作で隠せる |
| 階層 | 最大8レベルまで作れる | 階層はない |
頻繁に開閉する表ならグループ化、しばらく見せる予定がない行なら非表示が向いています。
どちらを選ぶか迷ったら、他の人も開くブックでは記号が残るほうを選ぶと、確認の手間を減らせます。
集計行を残して明細だけを隠せる
この機能が特に便利なのは、合計の行を残して明細だけを隠したい場面です。
たとえば支店ごとの月別売上で、明細の行だけを閉じれば、支店の合計を一覧できます。
会議では合計を見せ、質問が出たら「+」で明細を開くといった使い方ができます。
ここでつまずきやすいのは、合計の行まで範囲に含めてしまうことです。
合計の行も一緒に閉じると、見せたい数字まで隠れてしまいます。
範囲を選ぶときは、明細の行だけになっているかを確かめてください。
条件に合う行だけを見たいときは、フィルターのほうが適しています。
フィルターは値で行を絞り込む機能で、決まった範囲を開閉するこの機能とは目的が異なります。
行や列をグループ化するやり方と解除の使い方
操作は行でも列でもほとんど同じで、範囲を選んでボタンを押すだけです。
解除も同じ場所のボタンから行えます。
ここでは、行、列、解除の順に手順を紹介します。
行をグループ化して折りたたみの記号を出すやり方
行を設定する手順は次のとおりです。
1. まとめたい行の行番号をドラッグして選択する
2. 「データ」タブをクリックする
3. 「アウトライン」グループの「グループ化」をクリックする
たとえば5行目から7行目なら、行番号の5から7までをドラッグしてからボタンを押します。
選択した行の左側に線と「-」の記号が表示されれば、設定は完了です。
行番号や列番号ではなくセルだけを選ぶと、行と列のどちらにするかを尋ねる画面が出ます。
その場合は「行」か「列」を選んで「OK」をクリックします。
行番号や列番号から選んでおけば、この画面は出ないので手軽です。
列をまとめて集計の列だけを見せるやり方
列の場合は、まとめたい列の列番号をドラッグして選択します。
そのあと、行と同じく「データ」タブの「グループ化」をクリックします。
選択した列の上側に線と「-」の記号が表示されます。
具体例として、B列からD列に月別の数字があり、E列に合計がある表を考えてみます。
列番号のBからDまでを選択して設定し、「-」をクリックします。
すると列番号はAの次がEになり、商品名と合計だけが並んで見やすくなります。
グループ化を解除するやり方とショートカット
解除は、対象の行や列を選択してから次の順に操作します。
1. 「データ」タブをクリックする
2. 「アウトライン」グループの「グループ解除」をクリックする
シート全体の設定をまとめて消すときは、「グループ解除」の下向きの矢印を開きます。
表示された項目から「アウトラインのクリア」をクリックします。
一部だけ残したいときは、この方法ではなく範囲を選ぶ方法を使ってください。
キーボードでは、範囲を選んでShift+Alt+→を押すと設定でき、Shift+Alt+←で解除できます。
画面の記号を押さなくても開閉したいときは、Alt+Shift+=で開き、Alt+Shift+-で閉じられます。
キーの組み合わせが覚えにくければ、使う機会の多いキーだけ覚えれば十分です。
ほかのキーの覚え方や、キーが効かないときの確認方法は、ショートカットキーの記事で紹介しています。
グループ化の使い方の実務例|集計表で明細を折りたたむやり方
実務でよく使うのは、集計の行や列を残して、明細を閉じておく使い方です。
ここでは、支店別の売上表と商品別の月次表を例に見ていきます。
最後に、複数の範囲を一度に開閉する方法も紹介します。
支店別の売上表で明細の行を折りたたみで隠す
次の表は、支店ごとに3か月分の売上を並べた例です。
実際の業務では、この表を30行、50行と広げて使うこともあります。
| A | B | C | |
|---|---|---|---|
| 1 | 支店 | 月 | 売上 |
| 2 | 東京 | 4月 | 120000 |
| 3 | 東京 | 5月 | 150000 |
| 4 | 東京 | 6月 | 130000 |
| 5 | 東京 計 | ||
| 6 | 大阪 | 4月 | 90000 |
| 7 | 大阪 | 5月 | 110000 |
| 8 | 大阪 | 6月 | 100000 |
| 9 | 大阪 計 | ||
| 10 | 全社 計 |
東京の合計を求めるため、C5セルに次の数式を入力します。
=SUM(C2:C4)
結果は400000と表示され、東京の3か月分を合計した金額が分かります。
同じようにC9セルに入力する数式は次のとおりです。
=SUM(C6:C8)
結果は300000で、大阪の3か月分の合計です。
全社の合計は、C10セルに次の数式を入力して求めます。
=C5+C9
結果は700000と表示され、2つの支店の合計を足した金額になります。
ここで行番号の2から4、6から8をそれぞれ設定して閉じると、5、9、10行目の合計だけが並びます。
閉じても数式の結果は変わらないので、明細を隠したまま合計を確認できます。
商品別の月次表で集計の列だけを残す
列の例として、次の表を使って考えてみます。
| A | B | C | D | E | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 商品 | 4月 | 5月 | 6月 | 合計 |
| 2 | ノート | 100 | 120 | 90 | 310 |
| 3 | ペン | 200 | 180 | 220 | 600 |
B列からD列を設定して閉じると、A列の商品名とE列の合計だけが表示されます。
月ごとの推移を見たいときは、「+」をクリックすれば3か月分が開きます。
報告用の資料では合計だけを見せ、確認したい人だけが開けるようにできます。
合計の行を自動で入れたいときは、「データ」タブの「小計」も使えます。
先に基準の列で表を並べ替えてから実行すると、合計の行とアウトラインがまとめて作られます。
なお、テーブルに変換した表では「小計」が使えないので、その場合は手順を分けて設定します。
数字のボタンで折りたたみを一度に切り替える
範囲が増えてくると、「+」を1つずつクリックするのは手間がかかります。
そのようなときは、記号と一緒に表示される「1」「2」などの数字のボタンを使います。
数字が小さいほど上の階層だけが残り、大きいほど細かい行まで表示されます。
先ほどの売上表なら、「1」をクリックすると明細が閉じて、合計の行だけが残ります。
「2」をクリックすれば、すべての明細が開きます。
印刷の前に「1」を押しておけば、合計だけの資料を手早く用意できます。
「小計」で作った合計の行には、数式としてSUBTOTAL関数が入ります。
SUBTOTAL関数の集計方法の番号などは、別の記事で詳しく紹介しています。
グループ化できない・解除できない原因と対処法
ボタンが選べない、記号が出ないといったときは、原因がいくつかに絞られます。
どれも設定を確かめれば直せるものなので、順番に確認してみてください。
ここでは、初めての方がつまずきやすい4つの場面を取り上げます。
解除できない原因がシートの保護のとき
シートが保護されていると、この機能のボタンが使えない場合があります。
記号の開閉も、保護の状態によっては効かないことがあります。
「校閲」タブに「シート保護の解除」が表示されていれば、保護がかかっています。
具体例として、他の部署から届いた集計表で「+」を押しても開かない場合を考えます。
「校閲」タブの「シート保護の解除」をクリックし、パスワードを求められたら入力します。
パスワードが分からないときは、作成した人に確認してください。
折りたたみの記号が表示されないとき
設定したはずなのに記号が見えないときは、表示の設定がオフになっている可能性があります。
「ファイル」タブの「オプション」を開き、「詳細設定」をクリックします。
一覧の中からアウトライン記号の表示に関する項目を探し、チェックを入れて「OK」をクリックします。
解除したのに行が隠れたままになるとき
閉じた状態のまま解除すると、行や列が隠れたまま残る場合があります。
記号も消えるので、データがなくなったように見えて驚くかもしれません。
実際には非表示の状態で残っているだけなので、落ち着いて戻せます。
戻すときは、隠れた行をはさむ上下の行番号をドラッグして選択します。
「ホーム」タブの「書式」から「非表示/再表示」を開き、「行の再表示」をクリックします。
列の場合は「列の再表示」を選びます。
この状態を避けるには、解除の前に「+」で開いておくのが確実です。
他の人に渡すブックでは、解除の前に開く習慣をつけておくと、確認の手間を減らせます。
離れた範囲をまとめて折りたたみできないとき
離れた行をCtrlキーで同時に選択していると、設定できません。
この機能の対象は、連続した範囲に限られるためです。
2行目から4行目と6行目から8行目なら、片方ずつ順番に設定します。
また、隣り合う範囲を続けて設定すると、1つにつながって開閉される場合があります。
前の章の売上表のように、間に合計の行を1行はさんでおくと分かれて表示されます。
シートの保護についてさらに詳しく知りたいときは、シートの保護の記事を参考にしてください。
グループ化まとめ|明細を閉じれば大きな表も見渡しやすくなる
グループ化は、行や列をまとめて開閉できるようにする機能です。
データを消さずに必要な部分だけを表示できるので、大きな表を見渡すときに役立ちます。
要点を整理すると次のとおりです。
- 範囲を選び、「データ」タブの「グループ化」をクリックすると設定できる
- 「-」で閉じ、「+」で開く。「1」「2」のボタンなら一度に切り替えられる
- 解除は、同じ場所の「グループ解除」から行う
- 全体を消すときは「アウトラインのクリア」を使う
- 頻繁に開閉するならこの機能、当面は見せないなら非表示が向いている
うまくいかないときは、シートの保護、記号の表示設定、選択した範囲の順に確かめます。
解除するときは、先に「+」で開いておくと、行が隠れたまま残る心配がありません。
隠れたまま残ったときも、行番号をまたいで選択すれば通常の再表示で戻せます。
Excelでできるほかの操作や基本機能を見渡したいときは、機能の一覧もあわせて参考にしてみてください。







