Excelで隠れている行や列を戻そうとしても、うまくいかないことがあります。
メニューの「再表示」を選んでも変わらなかったり、薄い色で選べなかったりすると戸惑うものです。
実は、見えない行や列のすべてが、非表示の機能で隠されているとは限りません。
この記事では、非表示の行・列を再表示できない原因を、症状ごとに整理して解説します。
あわせて、シート全体を一括で戻すやり方や、1行目やA列を戻すやり方も紹介します。
初めての方でも順番に確認できるよう、タブ名やボタン名を挙げて説明します。
原因は大きく分けて3つあります。
選択のしかた、フィルターやグループ化との違い、シートの保護や行の高さの設定です。
行番号や列番号の見た目を手がかりにすると、どれに当てはまるかを見分けやすくなります。
なお、スクロールしても上の行へ戻れないときは、ウィンドウ枠の固定が関わることもあります。
固定と解除の基本的な操作は、別の記事で詳しく説明しています。
非表示の行・列を再表示できないとは?一括で戻すやり方と原因の見分け方
行や列を再表示できないとは、戻す操作をしても見えない部分が現れない状態を指します。
原因を調べる前に基本の操作を試すと、それだけで解決することもあります。
ここでは基本のやり方、シート全体を戻す方法、原因の見分け方を順に紹介します。
行番号の両隣を選んで再表示するやり方
隠れた行を戻すには、その行をはさむ上下の行番号を選択します。
選択した行番号の上で右クリックし、メニューの「再表示」をクリックします。
列の場合も同じで、隠れた列をはさむ左右の列番号を選択して操作します。
具体例として、3行目と4行目が隠れている表で考えてみます。
行番号の2から5までをドラッグして選択し、右クリックして「再表示」を選びます。
すると行番号が2、3、4、5と続いて表示され、隠れていた2行が戻ります。
シート全体を一括で再表示するやり方
どこが隠れているか分からないときは、シート全体を選択してからまとめて戻す方法が便利です。
1. シートの左上にある三角形のボタンをクリックし、シート全体を選択する
2. いずれかの行番号を右クリックし、「再表示」をクリックする
3. 続けて、いずれかの列番号を右クリックし、「再表示」をクリックする
行と列は別の操作なので、両方を戻したいときは2回に分けて行います。
シート全体を選んだあとにCtrl+Shift+9を押すと、行だけをまとめて戻すこともできます。
他の人から受け取ったブックでは、この方法を使う前に少し注意が必要です。
隠しておく理由があった行や列まで、すべて表示されてしまうためです。
共有のブックでは、作成した人に確認するか、必要な箇所だけを戻すと安心です。
再表示できない原因を列番号の見た目で見分ける
基本の操作で戻らないときは、画面の様子から原因を絞り込みます。
行番号や列番号の周りを確かめると、次のように見分けられます。
| 画面の様子 | 考えられる原因 | 確認する場所 |
|---|---|---|
| A列や1行目だけが見えない | 左や上に選べる列・行がない | 名前ボックス |
| 行番号が飛んでいて青色になっている | フィルター | 列見出しのアイコン |
| 行番号の左や列番号の上に「+」がある | グループ化 | 「データ」タブ |
| 「再表示」が薄い色で選べない | シートの保護 | 「校閲」タブ |
| 行番号は続いているのに見えない行がある | 行の高さが小さい | 「行の高さ」 |
| スクロールしても上の行や左の列へ戻れない | ウィンドウ枠の固定 | 「表示」タブ |
たとえば行番号が1、2、5と続いていれば、3行目と4行目が隠れていると分かります。
2と5の境目に見える二重線が、隠れている位置の目印です。
この番号が青色で表示されているときは、後の項目で説明するフィルターを確かめます。
行番号が飛んだ表の合計に隠れた行は含まれるか
非表示にした行は消えたわけではなく、入力した値も残っています。
そのため、見えている数字と合計が合わないときは、隠れた行が原因かもしれません。
次の表で、3行目を非表示にした場合を考えてみます。
| A | B | |
|---|---|---|
| 1 | 店舗 | 売上 |
| 2 | 本店 | 120000 |
| 3 | 北店 | 80000 |
| 4 | 南店 | 50000 |
| 5 | 合計 |
B5セルに、B2からB4までを合計する次の数式を入力します。
=SUM(B2:B4)
結果は250000と表示され、隠れている北店の80000も合計に含まれます。
見えている行だけを合計したいときは、B5セルに次の数式を入力します。
=SUBTOTAL(109,B2:B4)
結果は170000と表示され、見えている本店と南店だけの合計になります。
1つ目の引数の109は、手動で隠した行を除いて合計するという指定です。
行を隠したまま集計する表では、どちらの結果がほしいのかを先に決めておくと迷いません。
SUBTOTAL関数のほかの集計方法や番号の一覧は、別の記事で紹介しています。
1行目やA列を再表示できない原因|名前ボックスでのやり方
表の端にある行や列が隠れると、通常の選び方が使えなくなります。
隠れた部分をはさむ相手が、上や左に存在しないためです。
この場合は、選択のしかたを変えれば戻せます。
A列を再表示できないのは左の列番号がないため
A列からC列までが隠れていると、列番号はD列から始まります。
D列の左には選べる列番号がないので、両隣を選ぶことができません。
D列だけを選んで右クリックしても、隠れた列は戻らないことがあります。
1行目が隠れている場合も同じ仕組みです。
行番号が2から始まり、その上には選べる行番号がありません。
見た目では端が欠けていることに気づきにくいため、番号の始まりを確かめてみてください。
名前ボックスで範囲を指定して一括で選ぶやり方
このような場合は、数式バーの左側にある名前ボックスに範囲を入力して選択します。
隠れている範囲を直接指定できるので、隣の列を選ぶ必要がありません。
A列からC列までを戻す手順は次のとおりです。
1. 名前ボックスをクリックし、「A:C」と入力してEnterキーを押す
2. 「ホーム」タブの「書式」をクリックする
3. 「非表示/再表示」から「列の再表示」をクリックする
具体例の2つ目として、1行目から3行目が隠れている表で考えてみます。
名前ボックスに「1:3」と入力してEnterキーを押します。
同じメニューで「行の再表示」をクリックすると、行番号が1から表示されます。
1行目やA列の1つだけを戻すなら、名前ボックスに「A1」と入力する方法もあります。
そのまま「行の再表示」または「列の再表示」をクリックすれば、該当の行か列が戻ります。
行番号ではなくセルを右クリックしていないか
右クリックする場所が違うと、メニューに「再表示」が出てきません。
セルの上で右クリックしても表示されないので、行番号や列番号の上で操作します。
これは初めての方がつまずきやすい点の1つです。
選択のしかたにも注意が必要です。
隠れた行の片側だけを選ぶと、その行が範囲に入らず、戻らないことがあります。
必ず上下の行番号をまたぐようにドラッグして、選択した範囲の中で右クリックします。
列番号を選んでもCtrl+Shift+0が効かない原因
隠れた列を戻すショートカットキーには、Ctrl+Shift+0があります。
ただ、Windowsの入力言語を切り替えるキーと重なり、押しても反応しない場合があります。
行を戻すCtrl+Shift+9は動くのに、0のほうだけ効かないという報告もあります。
このキーが効かなくても、列を戻せないわけではありません。
列番号を右クリックする方法や、「書式」のメニューを使えば同じ結果になります。
会社のパソコンで設定を変えにくいときは、こちらの方法で進めるのが手軽です。
ほかの定番のキーや、ショートカットキーが効かないときの確認方法は別の記事にまとめています。
右クリックで再表示できない原因|フィルターとグループ化の違い
行が隠れて見えていても、非表示の機能によるものとは限りません。
フィルターやグループ化で隠れた行は、それぞれ別の仕組みで動いています。
そのため、戻すときも専用の操作を使います。
行番号が青いときはフィルターの抽出を確認する
フィルターで条件に合わない行が隠れているときは、右クリックの「再表示」では戻りません。
見分ける目印は、飛んだ行番号が青色で表示されることです。
条件を設定した列の見出しには、フィルターのアイコンも表示されます。
具体例として、担当者の列で「佐藤」だけを抽出した表を考えてみます。
佐藤さんの行が2行目と4行目なら、行番号は1、2、4と飛んで表示されます。
すべての行を戻すには、次の手順で条件を解除します。
1. 「データ」タブをクリックする
2. 「並べ替えとフィルター」グループの「クリア」をクリックする
「クリア」は条件だけを外す操作で、見出しのボタンはそのまま残ります。
フィルターの機能そのものをやめたいときは、同じタブの「フィルター」をもう一度クリックします。
列番号の上に「+」があるときはグループ化を確認する
グループ化は、複数の行や列をまとめて折りたためる機能です。
行なら行番号の左側、列なら列番号の上側に、「+」や「-」の記号が表示されます。
「+」が見えていれば、その部分が折りたたまれていると考えられます。
具体例として、4行目から6行目を1つのグループとして折りたたんだ表を考えます。
行番号は3の次が7になり、左側の余白に「+」が表示されます。
「+」をクリックすれば、行番号が3、4、5、6、7と続いて表示されます。
グループそのものを消したいときは、対象の行を選択して次の順に操作します。
1. 「データ」タブをクリックする
2. 「アウトライン」グループの「グループ解除」をクリックする
ここでつまずきやすいのは、折りたたんだまま解除すると、行が隠れたまま残る場合があることです。
先に「+」で開いてから解除すれば、この状態を避けられます。
残ってしまったときは、前の項目で紹介した通常の手順で戻せます。
実務では、後から見返す行を隠すなら、非表示よりグループ化のほうが分かりやすいと言えます。
記号が画面に残るので、隠した場所を他の人も見つけやすいためです。
行や列をまとめる設定や解除の手順は、グループ化の記事で詳しく説明しています。
再表示できない原因がシートの保護や行の高さのときの直し方
メニューが選べない、または操作しても変わらない場合は、シートの設定を確かめます。
シートの保護、行の高さや列の幅、ウィンドウ枠の固定が主な確認先です。
いずれも非表示とは別の設定なので、それぞれの場所で直します。
シートの保護で行番号の「再表示」が選べないとき
シートが保護されていると、行や列を戻す操作が制限されます。
行番号を右クリックしても、「再表示」が薄い色になって選べないのが目印です。
解除は、「校閲」タブの「保護」グループにある「シート保護の解除」から行います。
具体例として、パスワード付きで保護された集計表を受け取った場合を考えます。
解除にはパスワードの入力が必要なので、作成した人に確認します。
パスワードが分からないときは、隠れた部分を見せてもらえるよう頼むのも1つの方法です。
保護をかける側なら、許可する操作の一覧で「行の書式設定」にチェックを入れておきます。
列の場合は「列の書式設定」です。
どちらも行や列を隠す操作などに関わる項目で、保護したまま操作を許可できます。
列番号は続いているのに見えないときは幅を確かめる
番号が飛んでいないのに見えない行や列は、高さや幅がとても小さくなっている可能性があります。
非表示ではないため、「再表示」を選んでも変化がない場合があります。
3行目が見えない表なら、次の手順で高さを指定し直します。
1. 行番号の2から4までをドラッグして選択する
2. 選択した行番号の上で右クリックし、「行の高さ」をクリックする
3. 「20」と入力して「OK」をクリックする
これで2行目から4行目までの高さが同じになり、3行目も見えるようになります。
列の場合は、列番号を選択して右クリックし、「列の幅」から数値を指定します。
行の高さを一括で揃えるときの注意点
どの行が小さくなっているか分からないときは、シート全体を選んで指定する方法もあります。
左上の三角形のボタンでシートを選択してから、同じ手順で高さを入力します。
ただし、すべての行が同じ高さになるので、行ごとの調整は崩れます。
見出しの行だけ高くしている表などでは、見えない行の周りに範囲を絞るほうが安全です。
文字に合わせて整えたいなら、「ホーム」タブの「書式」から「行の高さの自動調整」も使えます。
行番号の1行目へ戻れないときはウィンドウ枠の固定を解除する
スクロールしても上の行や左の列へ戻れないときは、ウィンドウ枠の固定が原因かもしれません。
固定した位置によっては、一部の行や列が隠れて見えなくなることがあります。
「表示」タブの「ウィンドウ枠の固定」を開き、解除の項目を選ぶと確認できます。
実務で受け取ったブックでは、保護と固定が両方設定されていることもあります。
1つ直して変わらないときは、ここまでの項目を順に確かめてみてください。
シートの保護の仕組みやセルのロックとの関係は、シートの保護の記事で詳しく解説しています。
再表示できないときの対処方法まとめ|行番号の見た目から原因を絞る
隠れた行や列を戻せないときは、いきなり設定を変えず、画面の様子から確かめるのが近道です。
多くの場合、行番号と列番号の見た目を見れば、確認する場所を絞り込めます。
この記事で紹介した確認の順番は次のとおりです。
- まず、隠れた部分の両隣を選んで、右クリックから「再表示」を試す
- 1行目やA列なら、名前ボックスに範囲を入力して「書式」のメニューから戻す
- 行番号が青色なら、「データ」タブの「クリア」でフィルターの条件を外す
- 「+」の記号があれば、グループ化なのでクリックして開く
- 「再表示」が選べなければ、「校閲」タブでシートの保護を確かめる
- 番号が続いているのに見えなければ、行の高さや列の幅を指定し直す
- 上の行や左の列へ戻れなければ、ウィンドウ枠の固定を確かめる
シート全体を一括で戻す方法は手軽ですが、隠しておきたかった部分まで表示されます。
他の人のブックでは、戻してよいかを確かめてから使うと安心です。
隠れた行の値は合計にも含まれるので、集計表ではSUM関数の結果もあわせて確認しましょう。
Excelでできるほかの操作や基本機能を見渡したいときは、機能の一覧もあわせて参考にしてみてください。







