Excelで数式をコピーしたとき、計算結果がずれてしまった経験はないでしょうか。
原因の多くは「参照方法」の違いにあります。
Excelには「相対参照」と「絶対参照」という考え方があります。
少し難しそうに聞こえますが、仕組み自体はとてもシンプルです。
この記事では、$マークの意味から実務での使い分けまで、落ち着いて理解できるように整理していきます。
目次
相対参照とは何か
相対参照とは、数式をコピーしたときに参照先が自動でずれる仕組みのことです。
Excelでは、何も指定しない場合は基本的に相対参照になります。
たとえば、A2セルに次の数式を入力したとします。
=B2*C2
この数式をA3にコピーすると、次のように変わります。
=B3*C3
参照している行番号が自動的に変わっています。
これが相対参照の特徴です。
相対参照が便利な場面
商品ごとの売上金額を計算する場合を考えてみましょう。
| 商品名 | 単価 | 数量 | 売上 |
|---|---|---|---|
| A商品 | 1000 | 2 | |
| B商品 | 800 | 3 |
D2に
=B2*C2
と入力して下へコピーすれば、自動でB3*C3に変わります。
同じ計算を繰り返す場面では、相対参照が自然に働いてくれます。
絶対参照とは何か
絶対参照とは、数式をコピーしても参照先が固定される仕組みです。
セル番地に「$」を付けることで指定します。
たとえば、
=$B$2*C2
と入力すると、B2が常に固定されます。
下にコピーしても、B2は変わりません。
$マークの意味
$には「この列(または行)を固定する」という意味があります。
| 書き方 | 意味 |
|---|---|
| A1 | 列も行も変わる(相対参照) |
| $A$1 | 列も行も固定(絶対参照) |
| $A1 | 列のみ固定 |
| A$1 | 行のみ固定 |
このように、固定する範囲を細かく指定することもできます。
F4キーで簡単に切り替える方法
$マークは手入力もできますが、F4キーを使うと効率的です。
数式入力中にセル番地を選択した状態でF4を押すと、次の順で切り替わります。
- A1
- $A$1
- A$1
- $A1
実務では頻繁に使います。
まずは「固定したいセルを選んでF4」と覚えておくと安心です。
実務でよくある絶対参照の使い方
代表的な例は「消費税率」や「共通の単価」の参照です。
たとえば、B1セルに消費税率10%を入力しているとします。
| 商品名 | 税抜価格 | 税率 | 税込価格 |
|---|---|---|---|
| A商品 | 1000 | 10% | |
| B商品 | 800 | 10% |
D2に
=B2*(1+$B$1)
と入力します。
ここでB1を絶対参照にしておくと、下へコピーしても常に税率セルを参照できます。
もし相対参照のままだと、B3やB4へとずれてしまい、正しい計算になりません。
このように「全行で共通して使う値」は絶対参照にするのが基本です。
相対参照と絶対参照の使い分け整理
最後に、使い分けの考え方を整理します。
| 目的 | 参照方法 |
|---|---|
| 行ごとに計算対象が変わる | 相対参照 |
| 常に同じセルを参照する | 絶対参照 |
| 列だけ固定したい | $A1 |
| 行だけ固定したい | A$1 |
迷ったときは、「コピーしたときにずれてよいかどうか」で考えると判断しやすくなります。
まとめ
絶対参照と相対参照は、Excelの数式を正しく扱うための基本です。
難しそうに感じるかもしれませんが、仕組み自体はとても素直です。
まずは、
・何も付けなければ相対参照
・固定したいときは$を付ける
・F4キーで切り替えられる
この3点を押さえておくと安心です。
実務では「共通の数値を固定する」場面が多くあります。
実際の表で手を動かしながら確認していくと、自然に身につくと言えます。
